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千葉の自治体職員の名札表記に「脱フルネーム」の動き SNSでの「身バレ」懸念回避

» 2024年03月14日 19時58分 公開
[産経新聞]
産経新聞

 千葉県内の自治体で、職員が身に付ける名札の表記をフルネームから名字だけに変更する動きが出てきた。フルネームから個人情報を特定され、嫌がらせ目的でSNS上に無断で書き込まれるなど、プライバシーを侵害される懸念があるためだ。県庁もフルネーム表記を早期に見直す方針だ。

 船橋市は4月から全職員の名札を漢字のフルネームから名字のみに変える。ふりがなやローマ字での表記も加える。文字のサイズも大きくする。

 市人事課は2023年11月、約6500人の職員に名札に関するアンケートを取り、962人から回答を得た。「名字のみがいい」が73%(702人)、「フルネームのままでいい」が14.7%(141人)だった。他に「所属先だけでいい」「名札は廃止すべきだ」「イニシャル表記がいい」といった意見もあった。

 同課にはこれまで、窓口対応の職員が「『名前を覚えたからな』と言われた」「SNSにさらされるのが怖い」と不安を訴えたことがあった。

 このため、名札をきっかけに職員が理不尽なクレームをする「カスタマーハラスメント」を受けることがないようにと、表記の変更を決めた。

 県内では23年9月、いすみ市が平仮名の名字だけにした。11月には佐倉市が「市職員が住民対応で名乗る際に、名字だけのことが多い」(人事課)といった理由で名字だけにし、ふりがなを入れるようにした。

 一方で、鎌ケ谷市や木更津市のように、以前から名字だけの自治体もある。

 県職員は現在、名札に所属名や氏名のほか、顔写真も掲載しているが、今後は「職員が安心して働ける環境を整備するため、名札の記載内容を検討する」(県幹部)という。

photo 船橋市職員の名札のイメージ

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