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次期マイナカードは何が変わる? 新デザインに暗証番号統合、「マイナンバーカード」の名称変更も検討へ(2/3 ページ)

» 2024年03月19日 18時00分 公開
[ITmedia]

暗証番号は4つ→2つに

 現行のマイナンバーカードには、公的個人認証サービス、券面事項入力補助など、目的別に4つのアプリケーション(AP)がICチップに搭載されている。次期カードでは、海外のeIDカードを参考に、暗証番号の入力を必要とする機能を集約した「認証AP(仮)」と、券面記載事項を照合番号の入力で確認・取得できる「券面等AP(仮)」に再編。APの構成は変わるものの、ユーザーの端末側の対応に負担がないようにするという。

暗証番号は「認証AP」と「券面等AP」の2つに整理

 これにより、現在4つの設定が必要な暗証番号が、4桁と6桁以上の2つの暗証番号で済むことになる。署名用の暗証番号(6〜16桁の英数字)で、券面事項入力補助データにもアクセスできるようにすることで、署名の際に別途4桁の暗証番号を重ねて聞く仕様を解消する。読み取りにくく桁数も多い照合番号については、海外eIDカードの事例を参考に、6桁の読み取りやすい番号にするという。

 将来的には、スマートフォンの生体認証などを活用することで、暗証番号の入力を不要にすることも検討する。

 なお、暗証番号がロックされた場合の備えとして、海外の事例を参考に、希望者は「PUK」(PIN UNLOCK KEY)を設定できるようになる。4桁の暗証番号がロックされた場合に、PUKを使用してマイナポータルアプリで、認証番号のロック解除と暗証番号の再設定ができるように。市町村窓口に行く手間を軽減するという。

暗証番号がロックされても「マイナポータル」アプリで解除できるPUKの設定方法

カード発行体制を整理

 カードの発行体制も改善する。現在、有効期限の3カ月前から更新の申請が可能だが、次期カードでは、パスポートと同様に、有効期限の1年前から申請できるようにする他、運転免許証と同じく、10回目の誕生日の1カ月後までを有効期限にする。また、誕生日前に更新した場合は、直後に迎える誕生日をカウントに含めないようにする。

 24年12月2日から、申請から1週間以内(最短5日)で交付できる「特急発行」を開始。満1歳未満の乳児、紛失などによる再交付、海外からの転入者、本人の意志によらずカードが使えなくなったケースなどを対象に実施する。

 現行カードでは、電子証明書の有効期限は5回目の誕生日とされているが、次期カード導入までの間、現行カードでは約5000万枚以上の電子証明書の更新が必要になることを踏まえ、市町村窓口や郵便局での更新体制を整備。その他市町村窓口の負担軽減策についても検討を進める。

 一方で、個人番号カード自体の更新は、最高位の本人確認書類であることも踏まえ、顔写真の情報が必ず変更されることから、現在と同様、対面による本人確認を継続する。

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