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英、中国ハッカー集団関連の個人・企業に制裁 英選管システムに侵入、約4000万人分の名簿に不正アクセス

» 2024年03月26日 10時43分 公開
[産経新聞]
産経新聞

 【ロンドン=黒瀬悦成】英政府は3月25日、中国当局とつながりのあるハッカー集団APT31が英選挙管理委員会のシステムにサイバー攻撃を仕掛けたほか、複数の英国会議員のアカウントへの侵入を試みたとして、APT31の関係者2人とフロント企業を制裁対象に指定したと発表した。英国内の資産が凍結され、英国への入国も禁じられる。

 英政府によれば、APT31は2021年後半から22年10月にかけて英選管のシステムに侵入したが、「民主的プロセスへの影響はなかった」としている。英政府は詳細を明らかにしていないが、英BBC放送などによると、14〜22年に有権者登録をした約4000万人分の名簿が不正アクセスを受けたとしている。

 一方、英政府によると国会議員のアカウントへの攻撃は21年に行われ、標的となった議員の大半は中国の違法行為を厳しく批判する対中強硬派議員だった。ハッカーらはいずれの議員のアカウントにも侵入できなかったとしている。

 英選管は2023年8月、選挙人名簿に不正アクセスがあったと公表し、国家サイバーセキュリティー・センターが米英など英語圏5カ国の機密情報共有枠組み「ファイブ・アイズ」の協力を得て捜査を進めていた。

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