米司法省は5月29日(現地時間)、「おそらく世界最大のボットネット」を破壊し、「911 S5」と呼ばれるこのボットネットを運営したとして中国籍のワン・ユンヘ容疑者(35)他2人を逮捕したと発表した。
米連邦捜査局(FBI)のクリストファー・レイ長官は発表文で「FBIは国際的なパートナーと協力し、おそらく世界最大のボットネットである911 S5を解体するための共同連続サイバー作戦を実施した。われわれは管理者を逮捕し、インフラと資産を押収し、共謀者たちに制裁を課した」と語った。
ワン容疑者らは2011年初頭、プロキシバックドアを潜ませた複数のVPNアプリ(MaskVPN、DewVPN、PaladinVPN、ProxyGate、ShieldVPN、ShineVPNnなど)を配布し、多数のユーザーの端末にマルウェアを仕込んだ。
2014年から数年間で、世界中の何百万台もの一般ユーザーのWindows搭載PCのネットワークを構築し、1900万以上の固有IPアドレスにリンクした。ワン容疑者らはこのボットネットをサイバー犯罪者に販売し、約1億ドルを稼いだ。
司法省はボットネットを構成している以下のドメインを押収するため、レジストラおよびレジストリ機関に令状を発行している。
メリック・ガーランド司法長官は発表文で、このボットネットは「サイバー攻撃、大規模詐欺、児童搾取、嫌がらせ、爆破脅迫、輸出違反を助長した」という。
容疑者らはボットネットの提供で得た利益を高級車、腕時計、不動産などの購入に使ったという。
FBIは、自分が911 S5のボットネットに悪用されていないかどうか確認するための方法を専用サイトで紹介している。
「スマート歯ブラシ300万本を乗っ取ってDDoS攻撃」海外メディアで誤報相次ぐ “IoTテロ”は現実に起こるのか?
Google、AI採用のサイバー防御イニシアチブ発表 「Magika」オープンソース化も
「もしサイバー攻撃を受けたら?」を考えたことはありますか ITセキュリティの新常識「サイバーレジリエンス」を理解する
新手の「疫病」ボットネットが仕掛ける大規模DDoS攻撃、威力はMiraiの3倍以上Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR