ITmedia NEWS > ネットの話題 >
STUDIO PRO

「LUMIX」商品サイトでのストックフォト使用、新機種以外にもあったと認める パナ「認識の甘さを反省」(1/2 ページ)

» 2024年05月31日 08時30分 公開
[山川晶之ITmedia]

 5月23日に発表された新型ミラーレスカメラ「LUMIX DC-S9」について、商品サイトの一部写真にストックフォトを使用していたとして謝罪したパナソニックだが、S9以外のモデルでも一部で使用していたと明かした。同社は「カメラの商品紹介サイトとして相応しくない画像使用に至ったと、認識の甘さを反省しています」とITmedia NEWSに対しコメント。サイト全体の見直しを検討するとしている。

 もともとは、LUMIX S9の公式サイトに掲載されている写真の一部が、ストックフォトではないかとX(旧Twitter)で話題となったもの。AF機能を紹介する扉絵(犬が走っている写真)から、像面位相差AFの精度を紹介する写真、動物認識AFで使われている動物の写真、S9の目玉でもある「リアルタイムLUT」機能で使われている写真など、ストックフォトにアップされているものと同一の写真が、商品ページの複数箇所で使用されているとの指摘が相次いだ。

S9のAF機能を紹介する扉絵として掲載されていた犬が走る写真
Shutterstockで同一の写真を確認した。アップロード日はS9発表から4年前の2020年

他社のカメラで撮影された写真が商品サイトに

 ストックフォトの使用が話題になると、他のモデルでも同様の指摘が出てくる事態に。

 例えば、マイクロフォーサーズ規格のミラーレスカメラ「LUMIX DC-G100D」のレンズ紹介ページにて、標準ズームレンズ「LUMIX G VARIO 12-32mm」とともに掲載された子どもの写真も、ストックフォトサービスに存在するとXで話題に。ストックフォトでの最大解像度は「8688x5792」で、画素数に直すと約5000万画素。2030万画素のG100Dで撮影したものではないことが分かる(Xではキヤノン製フルサイズ一眼レフとタムロン製望遠ズームを使って撮影されたものとの指摘もある)。

作例とは書かれてないものの、作例の雰囲気を出している「DC-G100DW」内の「LUMIX G VARIO 12-32mm」紹介ページ
こちらも同様の写真をストックフォトサービスで発見。この写真はキヤノンのフルサイズ一眼レフとタムロン製の望遠レンズで撮影されたものとの指摘がある

 その他パナソニックが2019年に発売した、同社初のフルサイズミラーレスカメラ「LUMIX DC-S1R」の商品ページもXで話題に。「高画質」を紹介するページの一番上に表示されている写真も複数のストックフォトサービスで存在が確認されており、一部のサイトで写真はソニーのAPS-Cミラーレスカメラ「α6500」で撮影したものとの記載がある。

「S1R」の高画質を紹介するページに掲載されている、霧がかった山の写真
ストックフォトサービス「POND5」で同一の写真があるとXで話題に。サイトの撮影情報によると、ソニーのAPS-Cミラーレス「α6500」で撮影されたものと記されている

 筆者でも、S1Rと同時発表されたフルサイズミラーレス「LUMIX DC-S1」や最新モデル「LUMIX DC-S5M2」、マイクロフォーサーズミラーレス「LUMIX DC-G99」、単焦点レンズ「LUMIX S PRO 50mm F1.4」、ズームレンズ「LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S.」などの一部写真でストックフォトの使用を確認した。S1では、高画質をうたうページのトップに表示されている2枚の写真がストックフォトに存在し、1枚目はダウンロードできる解像度がS1の画素数を超え、2枚目はアップロード日が2015年と古く、どちらもS1で撮られた可能性が低いカットだった。

フルサイズミラーレス「DC-S1」の「高画質」をうたうページのトップに掲載されている2枚の写真
ストックフォトサービス「123RF」で同一の写真を確認。最大解像度は7866×5244と表示されており4000万画素超え。S1を上回る
2枚目はshutterstockで確認。アップロードが2015年7月とのことで、2019年発売のS1で撮影された可能性はだいぶ低い
レンズの商品ページでもストックフォトの写真を部分的に使っているのを確認した。例えば「LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S.」のマクロに関する項目の写真
こちらもストックフォトサービスで同一とみられる写真を確認。投稿は2013年で、2019年に登場した同レンズで撮影された可能性は限りなく低い

 なお、ストックフォトと指摘されている写真に「作例」などの文言はなく、サイトの一番下には「画像・イラストは効果を説明するためのイメージです」との注釈が小さく書かれており、当該商品の作例としていた写真がストックフォトだったという虚偽の記載をしていたわけではない。とはいえ、何の説明もなく機能紹介の文脈で写真が大きく掲載されていたら、それを作例だと誤認する可能性は高く、Xには「カメラの商品説明ページに貼ってある写真はそのカメラで撮ったと思うやん」などの声も多く見られた。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.