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孤独・孤立対策メタバース「ぷらっとば〜す」を公開した理由 内閣府に聞いた(1/2 ページ)

» 2024年06月04日 20時55分 公開
[ITmedia]

 内閣府 孤独・孤立対策推進室が開設した、孤独・孤立対策のためのメタバース「ぷらっとば〜す」。同サービスを巡っては、メタバース上でのコミュニケーション禁止などの独特なルールが話題となり、SNSなどで物議を醸していた。なお、同サービスは5月31日をもって提供を終了している。

「ぷらっとば〜す」紹介ページより

 ぷらっとば〜すは、5月の「孤独・孤立対策強化月間」の広報・啓発活動の一環として同推進室が開設したサービス。「気軽にきてみて。ゆる〜くつながる場所」をコンセプトに、孤独や孤立で悩む人のための相談窓口や、サポーター養成講座などの各種ウェビナーの開催の他、自治体・NPOなどの取り組みを紹介。クラシックコンサートの生中継などのイベントもメタバース上で実施していた。

 サービス開始時は大きな話題にならなかったものの、5月26日に社会学者の古市憲寿氏が運営に関する意見をXに投稿したところ広く拡散される事態に。古市氏は、ユーザー間のコミュニケーション禁止や開設時間が午前10時〜午後6時に限られることなど、ぷらっとば〜すの独特な運営ルールなどについて指摘。「こんな孤独なメタバースって世界中探してもないんじゃないでしょうか」などと問題提起した。

 ぷらっとば〜すでは、音声通話・チャットを含めてユーザー同士の会話などを禁止している。一方で、マイクやカメラなどがデフォルト設定でオンになっており、ユーザー側でマイクとカメラをオフにし、通話の受信設定を「静音モード」に変更する必要があった。このルールに従わないユーザーには、「けいびのひと」というユーザーネームを付けた運営スタッフが近づき設定を変更するまで離れない、あるいは警告なしで強制的に退場させるなど、強硬手段を講じることもあった。

ぷらっとば〜す入場時にはユーザー側でマイクやカメラなどをオフにする必要があった

 こうした運用に疑問を抱いた人も多く、ユーザーからは「そもそもメタバースである必要があるのか」など、運営に対する多くの意見や指摘がSNSに投稿された。

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