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「AI幹事」飲食店に大ウケ──開発者が明かす、誕生のきっかけと想定外の反響 人とAIの新しい関係は居酒屋で始まる?(1/4 ページ)

» 2024年07月21日 16時04分 公開

 飲み会の風景を一変させる可能性を秘めた「AI幹事」が登場しました。Gateboxとだるまジャパン(岐阜県大垣市)の協力関係から生まれたこのサービス。なぜ、AI幹事を作ろうと思ったのか、実際にお話をうかがってきました。

取材に応じてくれたGateboxの武地実さん。だるまジャパンの尾崎竜二さん(崎はたつさき)と北川正義さんはオンラインで参加してくれた

 尾崎さんは、開発の経緯をこう語ってくれました。「元々は、Gateboxさんの『AIバイト』のタブレット版を開発する予定だったんです。でも、これなんか面白くないねえと話しているときに、武地さんの『商品紹介ではなく、AIと一緒にお酒を飲むようなものにしたい』という一言で、プロジェクトの方向性が大きく変わりました」。

23年6月に発表した「AIバイト」は、店舗や展示会などで接客・商品説明を行うキャラクターを提供するサービス

 AI幹事が可能になった背景には、技術的なことを含め、いくつかの要因がありました。整理すると、以下のようなことです。

  • 画像認識:GPT-4oの登場でマルチモーダル技術が使えるようになり、リアルタイムでテーブルの状況を把握することが可能になっていた
  • 会話の生成:AIが認識したものをベースとして、自然な対話が可能になった
  • コロナ禍の影響:パンデミックを経て、飲食店のDXが急速に進み、テーブルの上にタブレットがあることへの抵抗感が減った

 尾崎さんは「AIがあたかも自発的にアドバイスをするといった技術研究は既にしていたんです。足りなかったのは、AIから人間に働きかけるという視点でした。そこに武地さんの『AIにお代わり(を注文)させたい』というアイデアが加わって、自然とAI幹事ができ上がったんです」と説明する。また、そんなアイデアを形にしたいという価値観が共有できていたことも大きかったとのこと。

 言われてみれば、タブレットとAIを組み合わせることは、すんなり出てきますが、それがAI幹事というサービスに集約されるには、やはり明確な方向性が必要だったわけです。つまり、どうしてもAIと飲みたい! ということですね。

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