この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「Stack Overflowが世界6万人以上のITエンジニアにアンケート。最も使われている言語はJavaScript、データベースはPostgreSQLが1位に定着。Stack Overflow 2024 Developer Survey」(2024年7月26日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
代表的なITエンジニアのコミュニティサイトの1つである「Stack Overflow」などを運営するStack Overflowは、約6万5000人のITエンジニアにアンケートを行った結果をまとめた「2024 Developer Survey」を発表しました。
アンケートは2024年5月19日から6月20日の約1カ月のあいだに行われ、185カ国から6万5437人のITエンジニアが回答しています。国別ではアメリカが19%、ドイツが8%、インドが7%、イギリスと北アイルランドが6%、ウクライナが5%、カナダが4%、フランスが4%など(いずれも小数点以下四捨五入)。日本からは0.5%、286人が回答していました。
自分がどのようなタイプのITエンジニアであるかについての回答で、最も多かったのはフルスタックのデベロッパー。2位がバックエンドのデベロッパー、3位は学生、4位がフロントエンド、5位がデスクトップもしくは業務アプリケーション、6位がモバイルアプリケーションのデベロッパーとなっています。
アンケート結果は非常に多岐にわたりますので、今回も興味深いところを抜粋して紹介しましょう。
最も使われているプログラミング言語、スクリプティング言語、マークアップ言語はJavaScriptで、HTML/CSS、Python、SQLと続きます。このランキングは1年前と変わっていません。
使われているデータベースの順位は、昨年PostgreSQLがMySQLを抜いて1位になりましたが、今年はその差がさらに開いて、PostgreSQLの人気が高まっていることが示されています。また、昨年は5位だったMicrosoft SQL ServerがMongoDBを抜いて4位となっています。
最も使われているWebフレームワークはNode.js。2位がReact、3位にはjQueryと、これも昨年と変わりません。jQueryはまだ広く使われていることが示されています。また、昨年6位だったNext.jsが今年は4位と順位を伸ばしています。
昨年のアンケート結果から登場したのが「Admired and Desired」(称賛と期待)グラフです。
これはIT業界で次々に登場するさまざまなテクノロジーに対する「過剰な期待」(Hype)と「現実」(Reality)を可視化する目的で作られました。
グラフの青い点は「この技術を使ったことはないけれど、使いたいと思っている」(期待)の割合を示し、赤い点は「この技術を使ったことがあり、使い続けたいと思っている」(称賛)の割合を示しています。それぞれの点が右にあるほど期待も称賛も高いことを示し、左にあるほど期待も小さく実際に使っても大したことはなかったので称賛度も低い、ということになります。
プログラミング言語の称賛と期待グラフでは、青い点が示す最も期待度が高いのがPython、次がJavaScript、そしてSQLという順になっています。一方、赤い点が示す称賛度では、Rustが最も高く、次がTypeScript、3番目がGo、僅差でPythonとなっており、JavaScriptの称賛度が低めなのは興味深い点です。
データベースではPostgreSQLの期待度が飛び抜けて高く、称賛度も最高です。これが実際に使われている率の上昇に関連しているのかもしれません。Redisは期待度が5位ですが、称賛度は2位。MySQLは期待度に対して称賛度がやや低めになっています。
Webフレームワークでは、ReactとNode.jsの期待度が他と比べて抜け出ている一方で、称賛度はASP.NET CoreとSevelteが72%を超えています。そして称賛度1位がHTMXとなっている点も興味深いでしょう。
クラウドに関しては、AWSが期待度でトップ、称賛度も高ポイントを獲得しています。称賛度の点では、8位のHetznerが飛び抜けて高いのが気になります。またCloudflareの称賛度も高いですね。一方で、Herokuの称賛度が非常に低い点にも気になります。
その他、詳しい内容はぜひ「Stack Overflow 2024 Developer Survey」をご覧ください。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR