この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「オラクルが所有する「JavaScript」商標登録の取り消し、Denoが米国特許商標庁に申請したと発表」(2024年11月27日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
JavaScriptランタイム「Deno」の開発元であるDeno Landは、米国特許商標庁にOracleが所有する「JavaScript」の商標登録の取り消しを申請したことを明らかにしました。
JavaScriptはNetscapeがWebブラウザ用に開発したプログラミング言語であることはよく知られていますが、その名称はサン・マイクロシステムズが登録商標として所有し、同社がOracleに買収されたことで現在はオラクルが所有しています。
Node.jsの作者であり、現在はDenoの作者であるライアン・ダール氏は、これまでに2回、2022年9月と2024年9月にOracleに対してJavaScriptの商標を手放してほしいと公開書簡で呼びかけていました。
2回目の呼びかけの時には、次のアクションとして米国特許商標庁に取消を申請することを表明しており、今回それが実行されたことになります。
今回Denoが申請を明らかにしたブログ「Deno v. Oracle: Canceling the JavaScript Trademark」では、OracleによるJavaScritpの商標登録が取り消され、JavaScriptの名称がグローバルなコミュニティのものになれば、例えばJavaScriptのカンファレンスである「JSConf」は「JavaScript Conference」のような名称を使えるようになり、言語仕様の名称もECMAScriptではなくJavaScript仕様と名乗れるようになり、コミュニティの名称として法的に恐れることなく「Rust for JavaScript Developers」などの名称を使えるようになる、と説明されています。
Denoによる米国特許商標庁への申請は、次の3つの主張から構成されています。
Oracleとは関係なく、「JavaScript」という用語はすでにECMA-262仕様で定義されたプログラミング言語の一般的な名前になっている。
2019年にOracleがJavaScript商標の更新を行った際に、同社製品とは関係のないNode.jsのスクリーンショットが含まれている虚偽の証拠を含む書類を提出した。米国特許商標庁は、この虚偽の証拠を基に商標の更新を認めた可能性がある。
米国の法律では、3年連続で使用されていない商標は放棄されたものとみなされる。「JavaScript Extension Toolkit」や「GraalVM」のようなあまり知られていない製品では、商業目的での真正な商標の使用とはみなされない。
Oracleはこの申請に対して2025年1月4日までに回答しなければならず、もしも回答がない場合には商標登録が取り消される可能性が高いとのことです。
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