ITmedia NEWS > 速報 >
SaaS セレクト with ITreview

「気付いたら社員が勝手に導入」──情シスを悩ます“SaaSあるある” IT百物語蒐集家・久松氏が対策を解説

» 2025年01月29日 11時45分 公開
[安田晴香ITmedia]

 「知らないうちに部門や個人でSaaSを導入していた」「似たようなSaaSを社内でいくつも契約している」――Web会議ツールやチャットツールなどのSaaSが社内で急増したのに伴い、こうした“あるある”な問題に直面している情シス担当者は多いだろう。

 本来であれば情シスは、SaaSの利用実態を把握して各ツールの運用や認証の設定はもちろん、ツールやデータ同士を連携させたりセキュリティ対策を強化したりといった対応が求められる。しかしSaaSの導入数に比例して情シスの業務負荷も高まっており、多くの担当者は管理しきれていない状況だ。

photo IT百物語蒐集家として活躍する久松剛氏

 「時として無計画に、なし崩し的に導入されたSaaSはインシデントにつながるリスクがあるばかりでなく、業務効率化の障壁になることもあります」と警鐘を鳴らすのは、「IT百物語蒐集家(しゅうしゅうか)」として活躍し、ITコンサルタントとして組織開発や改善も手掛けているエンジニアリングマネージメント社長の久松剛氏だ。

 乱立するSaaSによって生じる問題に情シスはどのように向き合えばよいのか。アイティメディア主催のオンラインイベント「デジタル戦略EXPO」(2025年1月28日〜2月24日)に登壇した久松氏の講演から一部を抜粋してお届けする。

情シスがどこまで、どのように対応すべき?

 SaaSの利用が拡大している背景には、クラウドシフトのトレンドとコロナ禍のテレワーク対応によって進んだデジタル化がある。オンプレミスシステムと比べてSaaSはカスタマイズ性が下がるものの、導入までの期間が短く導入コストを抑えられる。Webブラウザがあればツールにアクセスできる利便性も加わり、コロナ禍を経て一気に普及した。

 しかし導入ハードルの低さゆえに、SaaSを次々と取り入れて社内に乱立する状態になってしまう企業は多い。久松氏は企業が直面する“あるある”として以下を挙げる。

SaaSを導入する企業の”あるある”

  • 知らないうちに従業員が契約して無料利用
  • 従業員がトライアルを申し込み、解除を忘れて自動課金
  • アカウント数の超過で予算がオーバー
  • SaaSを契約したが実は使っていない
  • 似たような機能のSaaSをいくつも契約してコストが発生
  • チームの自由にさせたら社内にSaaSが乱立
  • 提供元のAPIで不具合が発生
  • アクセス権限やデータ管理が曖昧でセキュリティリスクに
  • 急な料金改定でコスト見直しが急務に
  • ベンダーの方針転換や買収などで重用していたSaaSが終了

 ここでポイントの一つになるのが「情シスがSaaSをどこまで管理をするか」だ。管理者は「全社的な予算に関わるものは情シス」「各事業部内の予算でやりくりするものは事業部」になりがちだが、「アカウント管理という点に加え、利用するSaaSの安全性、社内の利用方法とセキュリティ対策のチェックという観点において情シスで極力まとめるべきです」と久松氏は言う。

 では情シスはどのような対策を講じれば良いのか、社内にSaaSを乱立させないためのポイントは――講演では企業の生産性を高めて競争力につなげるためのSaaS管理法を“あるある”ごとに詳しく解説する。自社の現状に悩む担当者にとって大いにヒントになるだろう。デジタル戦略EXPOは、2025年2月24日まで無料で視聴できるので、ぜひチェックしてほしい。

社内に溢れるSaaS 情シスはいかにしてこれらと付き合うべきか

デジタル経営戦略やAI活用、業務効率化など、9カテゴリーのトレンドを学べる「ITmedia デジタル戦略EXPO 2025 冬」。ビジネスパーソンが“今”知りたいデジタル戦略の最前線について、有識者が語ります。激増するSaaSを適切に管理するための心構えや方法を紹介する久松氏の講演は、こちらから無料でご視聴いただけます。

photo

生成AIの活用を学べる「ITmedia AI Boost」も要チェック!

生成AI活用に関心のある方は、技術トレンドや活用事例を深く学べるオンラインイベント「ITmedia AI Boost」もおすすめです。開催期間は2025年2月18日(火)〜2月19日(水)。こちらから無料登録してご視聴ください。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

あなたにおすすめの記事PR