JR東海は2月20日、リニア中央新幹線の試験車両を改良した新車両を投入すると発表した。車体表面に「リブレットフィルム」と呼ばれるサメ肌を模倣した溝構造を持つフィルムを採用し、従来の車両よりも空気抵抗を削減したという。2025年夏ごろに山梨リニア実験線で走行開始予定。
今回発表した中間車「M10」では、環境負荷の低減などに関する開発成果を反映。リブレットフィルムの採用に加え、台車周辺の形状を改善することで、空気抵抗を約1%(16両換算)削減し、消費電力を低減できるという。
他にも、液体ヘリウムを使わず、冷凍機で直接磁石を冷却する「高温超電導磁石」専門の車両設計に変更。これにより、磁石内部の構造を簡素化するなど、車両機器の構成を改善し、低コスト化を図るとしている。
車体にはシルバーの下地にゴールドのラインをデザイン。車内は白を基調に“落ち着いた色味”の座席を用意したという。
JR東海では、リニア中央新幹線の開業に向け、2013年から山梨リニア実験場で走行試験を実施している。開始当初から走行してきた「L0」系に続き、20年からはL0系「改良型車両」で実験してきた。今回発表したM10は、L0系改良型車両をさらにブラッシュアップしたもの。
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