PlayStationの有料サブスク「PlayStation Plus」に、月ごとに3本程度のゲームを購入せずにライブラリに保存して遊べる「フリープレイ」というサービスがあります。そして、この3月のフリープレイタイトルに「ドラゴンエイジ:ヴェイルの守護者」が含まれていました。発売は2024年10月31日ですから、わずか4カ月です。
本作は、特に海外で人気のRPGである「ドラゴンエイジ」シリーズの最新作です。前作からおよそ10年ぶりに発売されたということで、かなり期待されていたと思うのですが、ふたを開けてみればあまり売れなかったのでしょう。
売り上げ不振の大きな理由として、DEI(多様性・公平性・包括性)を強く意識した作品になっていることが挙げられます。本作は、販売前からDEIに配慮していることをアピールしていたのですが、ゲームの面白さよりもDEIに重きを置いているように見えるゲーム業界の動きに辟易していたゲームユーザーから反発を受けることになりました。
今回ボクも遊んでみましたが、最初の主人公のキャラメイクからDEIへの配慮を強く感じました。性別とは別に「彼」「彼女」といった、自分の代名詞を選べたり、胸やお尻を大きくしてセクシーな体型にすることができなかったり、顔が整った、いわゆる美男美女を作ることが難しかったり……いくら頑張っても理想のイケメンが作れないので大変でした。
一方で、ゲーム本編ではそこまでDEIに配慮したエピソードは出てきません。ただ、その数少ないエピソードの熱量がすごく、表現もかなり直接的だったりするので、ゲームの世界観やストーリーの流れを阻害している印象は受けます(詳しくはマンガで!)。作品に思想を込めること自体は決して悪いことではないと思うのですが、それを伝えることが目的になってしまうのはよくありません。
それでも、ゲームとしては結構面白いと思います。敵と戦うアクション要素は、特に目新しいシステムではないものの、駆け引きや爽快感があって楽しいですし、主人公や武器の成長要素もやりごたえがあります。マップも探索しがいのある、ちょうどいい広さになっていますし、全体的に丁寧に作られているなと感じました。
ストーリーは、前作までの知識があること前提で語られるので、初見のボクにはよく理解できませんでした。それでも、遊んでいて楽しかったので、そういう意味ではシリーズのファンはもちろん、知らない人もプレイできると思います。何よりPlayStation Plusユーザーなら追加投資なしでプレイ可能! せっかくですからライブラリに保存くらいはしておいてもいいと思いますよ。
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