米Googleは5月20日(現地時間)、開発者会議Google I/O 2025の基調講演で、「Google Workspace」の機能強化について、主にAIモデル「Gemini」の活用とパーソナライズに焦点を当てて説明した。
Workspaceでは現在、AIアシスタントが毎月20億回利用されているという。
Gmailには2015年からAIが返信内容を提案する「スマートリプライ」機能があるが、新機能では、ユーザーの過去のメールやGoogleドライブのファイルから関連情報を参照し、ユーザーがよく使う言い回しやトーン、スタイルに合わせて返信の候補を作成する。
Geminiに指示を出すだけで、不要なメールを削除したりアーカイブしたりできるようになる。例えば、「去年の毎朝新聞社からの未読メールをすべて削除して」といった指示が可能だ。この機能は7〜9月期に提供開始の予定。
発せられた言葉を、相手が理解できる言語に、ほぼリアルタイムで翻訳して音声で伝える「speech translation」機能が追加される。
音訳時には、話者の声、トーン、表情も反映される。女性同士の会話のデモ動画では、英語の話者が話し始めて少しすると似た音声のスペイン語が被さり、スペイン語の話者でも同様になっている。
まずは英語とスペイン語に対応し、数週間以内に他の言語も追加の予定だ。
Workspaceのビジネス顧客むけに今年後半に早期テストが行われる見込み。
昨年11月に発表された「Google Vids」は、テキスト入力でプレゼン動画などを作成できるGemini搭載アプリ。「Google AI Pro」と「Google AI Ultra」プランで提供している。
新たに、「Googleスライド」で作成した既存のプレゼン資料を動画に変換できる機能が追加される。Geminiは、スクリプト、ナレーション、アニメーションなどの生成をサポートする。この機能は7〜9月期に提供開始の予定。
また、録画した動画の文字起こしを生成し、「ええと」「あのぅ」といった無駄な言葉や不自然な無音部分を1クリックで特定し、削除できるようになる。この機能は7〜9月期にLabsで利用可能になる予定。
動画全体の音声レベルを1クリックで自動調整できるようになる。この機能は6月に提供開始の予定。
スクリプトを入力するだけで、AIアバターがその内容を話す動画を作成できる。複数の男女のアバターが用意されている。
Googleドライブ内の関連資料(プレゼン資料や報告書など)をGoogleドキュメントにリンクすると、Geminiがこれらの情報源だけを参照してライティング支援を行う。これにより、調査報告やビジネスプラン作成の際、必要な文脈を正確に把握して作業を進められる。この機能は7〜9月期に提供の予定。
スライド、Vids、ドキュメントなどで画像を生成する際、最新画像AIモデル「Imagen 4」を利用できるようになる。同日より提供開始。
Google I/O基調講演まとめ 「Gemini」で体験をさらにパーソナライズ
Google Workspace、「Gemini Business」統合で3月17日に値上げへ
Google、WorkspaceにAIによる動画生成アプリ「Vids」追加
Google、「Inbox」に人工知能による返信文提示機能「Smart Reply」追加へCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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