米Googleは8月5日(現地時間)、音声による詐欺行為「ボイスフィッシング」の被害を発表した。6月、Salesforce環境に侵入され、アクセスを遮断する前に中小企業の連絡先や関連するメモといったデータを窃取されたという。取得されたデータの大部分は社名や連絡先など、すでに公開されている情報だったとしている。詳細な件数などは明らかにしていない。
Googleによれば今回の攻撃は、同社が6月5日に「UNC6040」として報告したボイスフィッシングとその後の恐喝からなる攻撃キャンペーンと同様のものという。UNC6040では、ITサポート担当者になりすました人物が、音声通話を通して従業員に悪意ある接続アプリケーションの利用を承認させ、Salesforceに侵入。その後恐喝を行う。
恐喝では、ハッカー集団「ShinyHunters」を名乗って被害に遭った組織に電話かメールを送り、72時間以内にビットコインの支払いを求める。場合によっては、侵入から数カ月後に恐喝が行われる場合もあり、Googleは攻撃者が窃取したデータの金銭化を別の個人やグループと分業している可能性があるとしている。被害者をだます際に得た認証情報を使って、Microsoft 365など他のクラウドサービスにアクセスし、データを窃取することもあるという。
一方、8月5日時点では手口に変化も見られている。例えば音声通話やデータの収集に「Tor」などの匿名通信ツールを介することで攻撃者の特定と追跡を困難にしているという。Googleは攻撃のうち恐喝行為についても「UNC6240」として追跡しており、必要に応じて情報を公開する方針を示している。
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