KDDIは8月14日、東京ビッグサイトで8月16〜17日に開催される「コミックマーケット106」(コミケ106)にあわせ、屋外の通信対策を前年比で約2倍に強化すると発表した。2024年12月の「コミックマーケット105」でも臨時の対策を実施したが、「想定以上の来場者数」により一部で体感品質の劣化が確認されたことから、安定した通信提供を目的に拡充するという。
同社は24年12月のコミケ105で、車載型基地局2台と可搬型基地局3台の計5台を臨時設置していた。今回のコミケ106では、5G(Sub6)および5G SAに対応した車載型基地局3台と可搬型基地局6台の計9台を屋外に臨時で設置する。
東側ホールの可搬型基地局3台には、Sub6の3.7GHz帯と4.0GHz帯の両方に対応する「Dual Band Massive MIMO Unit(DB-MMU)」を搭載。1つの周波数のみに対応した従来の機器と比べ、最大2倍の利用者が同時接続可能だ。多数のアンテナ素子で電波を効率的に届けるビームフォーミング技術や、複数端末への同時通信を可能にするMulti-User MIMO技術を活用したものだという。
基地局数を4台追加し、3台のDB-MMU基地局を投入することで、接続キャパシティーを約2倍に引き上げる。KDDIの広報担当者は「台数と接続可能数の両面で対策を拡充し、より安定して快適な通信を提供する」と説明する。
コミックマーケットは1975年に開始した、国内最大級の同人誌即売会。1日あたり十数万人が来場する。KDDIは平常時から東京ビッグサイトの館内および周辺にSub6基地局を設置し、5G SAサービスを提供しているが、コミケでは特に開場前の待機列などで通信環境が不安定になる恐れがあるとして、臨時の通信対策を実施している。
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