週3回以上の頻繁なラーメン摂取は、健康リスクと関連する可能性がある――山形大学と山形県立米沢栄養大学の研究チームは8月15日、そんな研究結果を発表した。40歳以上の6725人に対し、中央値にして4.5年の追跡調査を行って分析した。
研究グループは、対象者のラーメン摂取頻度を「月1回未満」「月1〜3回」「週1〜2回」「週3回以上」の4段階に分類。なお、摂取頻度は月1〜3回(46.7%)が最も多く、次いで週1〜2回(27.0%)だった。追跡調査の結果、145人の死亡(男性85人、女性60人)が確認され、そのうち100人はがん、29人は心血管疾患によるものだった。
属性を詳細に分析した場合、有意な関連がみられた。飲酒習慣のある人では、「週3回以上」群の死亡リスクが「週1〜2回」群と比べて2.71倍高く、70歳未満の人では同じく「週3回以上」群の死亡リスクが「週1〜2回」群より2.20倍高かった。
なお「週3回以上」群には、BMIが高い人、喫煙者、糖尿病や高血圧のある人が有意に多い傾向がみられている。
一方、「週3回以上」群と「週1〜2回」群全体の解析では、「週3回以上」群の死亡リスクが1.52倍とやや高めに出たものの、統計的な有意差は確認されなかった。
研究チームは、ラーメンに含まれる塩分の多さが高血圧や胃がん、脳卒中を通じて影響している可能性を指摘。これまでも、「人口当たりのラーメン店の数と脳卒中死亡率」には関連があるとされてきたが、個人単位での健康への影響はこれまで検討されてこなかったという。
研究グループは、一般向けに公開したQ&A資料で「週に数回程度であればすぐに危険ということはないが、毎日のように食べる習慣は控えた方が安心」と解説。スープを全部飲み干さない、野菜や魚で栄養バランスをとる、塩分の取り過ぎに注意するといった工夫も推奨している。
研究結果は8月4日付の米科学誌『The Journal of Nutrition, Health and Aging』に発表された。
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