8月半ばにサービス終了を発表したものの、他社への事業承継により存続した「Peing-質問箱-」(質問箱)。承継先が運用する、同サービスの技術情報を発信するXアカウント「質問箱Tech」が、サービスのシステム構成やコストなどを投稿しており、ITエンジニア間で話題になっている。投稿への反応を見ながら最適化を進めている様子で、Xでは「貴重な情報すぎる」「公開リファクタリングだ」との反応も見られる。
同アカウントは24日からサービスの技術についてつぶやいており、例えばサービスのステージング(最終テスト)環境については「STG環境だけで月8万円かかっている・・・k8s(GKE)の検証したいがための構成なのだろうな。・App: 4万(n1-standard-2 x 3台 + k8s engine)・DB:2万・Redis/NW/Storage: 2万 やはりk8sが諸々のコストを上げているなあ」(原文ママ)と投稿。コンテナオーケストレーションサービス「Kubernetes」がコスト上昇の原因になっていることを明かした。
さらに、データべースの中身も一部公開。質問のレコード数が約9億4000万件、回答のレコード数が3億7000万件など、各種数値が確認できる画像を掲載している。
それぞれの投稿に対しては「よそのDBの数字が見られるなんてなかなかない」といった反応が集まっている他、サービス名を挙げて「○○を使えばもっとコスト抑えられるかも」とするアドバイスの声も。一方で「今もユーザーがいるサービスのステージング環境をカジュアルにいじりまくるのはどうなんだ」といった声も聞かれる。
「Peing-質問箱-」は8月15日、当時の運営会社であるDigital monkey(東京都品川区)がサービス終了を発表。しかし23日、他社に事業を譲渡してサービスを継続すると発表した。承継先は「大手企業・公的機関を取引先とする、東京の小規模システム開発会社」と名乗っているものの、現時点で社名を公表していない。
承継先はサービス継続の発表直後から、質問箱のリファクタリングによるコスト最適化に取り組む姿勢を見せており「インフラ費用だけで毎月50万円近い赤字が出ている」といった内実を発信していた。当初は質問箱のサービス公式Xアカウントで投稿していたが、後に質問箱Techに移行した。
ちなみに、質問箱の生みの親である個人開発者のせせりさんも、「質問箱を復活させるならどうするか」という引用リポストに触れる形で一連の投稿に反応。せせりさんは、「(すでにサービスを売却したため)部外者なので適当に発言しますが」と前置きしつつ「サーバ費用を広告費以下に抑える」「自分(せせりさん)に声をかけて記事を出し、世間の信頼感を得る」「知名度を生かして2B SaaSとして投資に積極的な企業に営業をかける」といったアイデアをシェアしている。
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