米OpenAIは9月2日(現地時間)、製品テストのプラットフォームを手掛ける米Statsigを買収すると発表した。買収総額は公表していないが、米TechCrunchによると、株式交換による買収で約11億ドルという。
Statsigは、2021年創業のワシントン州ベルビューに拠点を置く非公開企業。A/Bテストや機能フラグ、リアルタイムな意思決定支援ツールを提供する実験プラットフォームとして、OpenAIを含む多くの企業に採用されている。OpenAIはこのプラットフォームを自社内に取り込むことで、実験と迅速な改善サイクルの強化を図る狙いだ。
この買収に伴い、Statsigの創業者、ビジャイ・ラジCEOがOpenAIのApplications担当CTO(最高技術責任者)に就任する。ラジ氏は、Applications担当CEOであるフィジー・シモ氏の直属となり、ChatGPTとCodexの製品エンジニアリングを統括する。
ラジ氏は、Statsig立ち上げの前は米Metaで約10年間、大規模な消費者向けエンジニアリングを率いた経験を持つ。その前は米Microsoftで約10年間、Principal Software Design Engineerを務めた。シモ氏は公式ブログで、ラジ氏のリーダーシップは、AIの進歩を、人々の生活を改善し、企業のインパクトを高め、開発者がより速く優れた製品を構築できるようにする安全なアプリケーションに変えるのに役立つだろう」と述べた。
買収完了後もStatsigは引き続き独立した形で顧客サービスを継続する見込み。ラジ氏はOpenAIによる買収を発表するStatsigの公式ブログで、「Statsigとの旅は非常に満足のいくものであり、この瞬間に導かれ、毎日チームがより良いソフトウェアを出荷し続けることを確信している」と述べている。なお、買収の完了は、規制当局の承認を含む慣習的な完了条件に左右される。
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