米MLB(メジャーリーグベースボール)は9月23日(現地時間)、2026年シーズンから自動ボール/ストライク判定システム「ABS(Automated Ball-Strike)」のチャレンジ方式を本格導入すると発表した。従来通り球審が判定を行うが、打者、捕手、投手のいずれかが異議を申し立てれば、システムが即座に判定を再検証し、必要に応じて覆される。
各チームには1試合につき2回のチャレンジ権が与えられ、成功した場合は権利が保持される。延長戦では追加のチャレンジが認められる仕組みだ。判定結果はおよそ15秒で確定し、スコアボードや中継映像にも即時表示される。
ABSは米T-Mobileの5G通信網と、12台以上のカメラによるトラッキング技術を活用しており、ストライクゾーンは選手ごとに身長比率に基づき個別に設定される。システムの試験運用はすでにマイナーリーグやスプリングトレーニングで行われており、2025年春季キャンプでは1試合平均4回以上のチャレンジが実施され、成功率はおよそ5割だった。ファン調査では7割以上が「肯定的な影響がある」と回答しており、今回の正式導入につながった。
MLBは完全自動判定も検討したが、試合時間の長期化や捕手のリード、フレーミングといった技術の価値が損なわれる懸念から、審判の役割を残しつつ重大な誤審を防ぐ折衷案としてチャレンジ方式を採用した。コミッショナーのロブ・マンフレッド氏は「テクノロジーと伝統のバランスを取ることが重要だ」と強調しており、2026年からは人間と機械の融合による新たな判定制度がメジャーの舞台で試されることになる。
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