この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「マイクロソフト、ワンクリックで本番環境に対応したKubernetesクラスタを簡単にデプロイ、「Azure Kubernetes Service Automatic」正式リリース」(2025年10月8日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
米Microsoftは、Kubernetesを用いたクラスタの最適な構築と運用を自動的に実現してくれる新サービス「Azure Kubernetes Service Automatic」(AKS Automatic)の正式版をリリースしました。
Kubernetesはコンテナを用いたスケーラブルなアプリケーションの基盤として事実上の標準となっています。
しかしKubernetesを用いたアプリケーション基盤を構築し、運用するには、Kubernetesの基本的なコンテナとクラスタ管理の機能に加えて、ネットワーキングやスケーリング、モニタリングのためのさまざまな拡張機能を適切に選択、導入し、すべてを正しく設定する必要があるなど、多くの知識やスキル、そして手間が求められます。
AKS Automaticは、こうしたKubernetesの構築と運用に関わる難しさや複雑さを、Microsoft Azureのベストプラクティスを基にあらかじめ適切に選択されたソフトウェア群によるデフォルトの構成と適切な事前設定、自動化などによって可能な限り排除したものとなります。
例えばAKS AutomaticではあらかじめオブザーバビリティのためにGrafanaとPrometheusがマネージドサービスとして組み込まれており、Azure Policyダッシュボードでポリシーの状態を確認可能になっています。
ポッド間のネットワーキングはCilliumによるCNIオーバーレイが用意され、Ingressによるアプリケーション間ルーティングも可能で、NATゲートウェイによる外部との通信もできるようになっています。
アプリケーションのオートスケーリングのためのMetrics ServerとKEDAのアドオンも追加されています。
下記はAKS Automaticにあらかじめ用意されている構成およびデフォルトの設定です。
AKS AutomaticはGPUをサポートし、動的なリソースの割り当てやインテリジェントなワークロード配置など、AIや機械学習、クラウドネイティブなどを含むさまざまなタイプのアプリケーションに対応。
AKS Automaticによって、ワンクリックで本番環境に対応したクラスタが簡単にデプロイでき、マニュアルチューニング不要で自動的にインテリジェントなオートスケールが実現され、ベストプラクティスに基づいたセキュリティと可用性が提供されると説明されています。
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