東北大学と大阪大学、名古屋大学は11月7日、異なる構成の複数のスーパーコンピュータを連携させ、遠隔地間で津波浸水被害予測シミュレーションを分担して実行する実証実験で、最長でも6分以内に予測結果を得られたと発表した。
災害発生時、利用できるスパコンを迅速に確保し、大規模シミュレーションを分担して実行する体制の構築を目指す。
東北大が開発中の計算基盤「ExpressHPC」(仮称)を活用。ハードウェア構成や世代、システムソフトの違いを意識することなく、地理的に分散したスパコンを統一的に利用できる抽象化技術を実装した計算基盤だ。
実験では、東北大のスパコン「AOBA」、大阪大の「SQUID」、名古屋大の「不老」の3台を、「ExpressHPC」を通じて連携させた。
各スパコンに対して、兵庫県、高知県、和歌山県の津波浸水被害予測を割り当て。それぞれが並行して計算を実行したところ、それぞれ最長でも6分以内に正常に予測を完了できることを確認できた。
通常のスパコン利用では、シミュレーションが始まるまでに数分〜数時間の待ちが発生するが、同システムでは即時にシミュレーションを開始でき、順番待ちの制約を回避できた。
今後は運用体制やネットワークセキュリティなどの課題を解決し、さらなる技術開発と運用体制の確立を進める。国内外の他機関との連携も検討し、防災減災に資する技術と運用体制づくりを推進する。
東北大学は東日本大震災の教訓をいかし、「リアルタイム津波浸水被害予測システム」を開発するなど、減災に向けた研究に取り組んできた。
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