宇宙ベンチャーのispace(東京都中央区)は12月5日、パートナー企業22社との契約満了をもって民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」を7日に終了すると発表した。2018年9月の始動から7年間のプロジェクトだった。
ispaceとHAKUTO-Rは、2010年代に米Googleが主催した月面探査レース「Google Lunar XPRIZE」に参加していた日本チーム「HAKUTO」を引き継ぐ形で18年に始動。月への高頻度かつ低コストの輸送サービス実現を目指し、小型ランダー(月着陸船)やローバー(月面探査車)の独自開発を進めてきた。
23年と25年の月着陸ミッションでは、米Space XのFalcon 9ロケットでランダーを打ち上げ。月周回までの輸送能力やランダーの姿勢制御、誘導制御機能などを実証したが、いずれも月面着陸には至らなかった。
HAKUTO-Rとしての活動は終了するが、ispaceは27年に米国主導のミッション3、28年には日本主導の新型のシリーズ3ランダー(仮称)を用いたミッション4を計画している。
ispaceの袴田武史代表は「HAKUTO-Rとして歩んだ7年間でispaceが学び、習得した知見やデータの数々は、支えてくれたパートナー各社、株主、ペイロードカスタマー、政府関係者、そして従業員やその家族と得た成果であり、大きな資産。人類の生活圏を宇宙に広げ、人々がより豊かに暮らせる持続性のある世界を目指し、ispaceは今、次のミッションに向けて一丸となり『その先へ。』歩みを進める」としている。
なお、HAKUTO-Rの関連グッズを扱うオンラインストアは7日にクローズする予定。HAKUTO-R関連のSNSアカウントは8日から名称を変更して発信を続ける。
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