【北京=三塚聖平】中国は、2026年を人型ロボットの「商業化元年」と位置付けており、企業はロボットの販売店やレンタルといった新たなビジネスを次々と立ち上げている。AIを用いて機械やロボットを自律的に制御する「フィジカルAI」の社会実装で世界をリードしようと官民を挙げて対応を急いでいる。
北京市中心部のショッピングモールに、ファストフード店などと並んで人型や四足歩行のロボットが置かれた店舗がある。ロボットメーカー「杭州宇樹科技(ユニツリー・ロボティクス)」と、インターネット通販大手、京東集団(JDドット・コム)が昨年末にオープンさせたロボットの販売店だ。中国メディアによると、店舗では価格が8万5000元(約190万円)からという人型ロボット「G1」などを展示、販売している。
また、ロボット開発の智元機器人(AgiBot)は、人型などのロボットを貸し出すサービスを昨年12月に立ち上げた。
中国工業情報化省の張雲明次官は1月下旬の記者会見で、25年に中国の人型ロボットメーカーが140社超となり、330以上の人型ロボットが発表されたと明らかにした。新興の電気自動車(EV)メーカー、小鵬汽車など異業種からの参入も相次いでいる。
中国共産党・政府は、フィジカルAIを有望分野と見定めて産業化をさらに加速させる方針だ。来月5日に開幕する全国人民代表大会(全人代)で審議する26〜30年の経済運営の指針となる第15次5カ年計画には、「AIの産業応用」において世界の上位を占めることを後押しするといった方針が盛り込まれる見通しだ。
中国がフィジカルAIを重視する背景には、新興産業で覇権的な地位を握ることに加え、将来直面する人手不足に対応する狙いがあるとみられる。中国は、急速な少子高齢化に歯止めが掛からず、「世界の工場」を支えてきた働き手の減少が避けられないからだ。
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