米テレビ司会者の母親が行方不明になった事件が全米をくぎ付けにしている。米連邦捜査局(FBI)は事件発生から10日後に、被害者の自宅に設置されたGoogle Nestの玄関カメラがとらえた映像を公開した。当初極めて困難とされていた映像が復元できたことで、同時にプライバシーを巡る懸念も浮上している。
行方不明になっているナンシー・ガスリーさん(84)は、米NBCテレビの情報番組司会者として有名なサバンナ・ガスリーさんの母親。2月1日未明、アリゾナ州トゥーソンの自宅から何者かに連れ去られたとみられる。
FBIは2月10日、ガスリーさんが行方不明になった当日にNestの玄関カメラがとらえた映像を公開した。目出し帽を着けて銃を持った人物は、カメラを壊そうとしている様子だった。
ガスリーさんは映像をGoogleのクラウドに保存できるNestの有料サービスを契約していなかったことから、捜査当局は当初、この映像の入手は不可能と説明していた。Nestの無料プランの場合、映像は3〜6時間後に消去される。ガスリーさんの行方不明届けが出された時点でとうにその時間は経過していた。
しかし当局が捜索令状を取ってGoogleにNestカメラの映像を探させた結果、Googleのエンジニアがデータの復元に成功。FBIのパテル長官はXに画像を投稿し、「バックエンドシステムの残留データから映像を復元した」とポストした。
CNNによると、Nestは無料サービスであっても約3時間分の映像履歴をGoogleのクラウドやサーバに保存しているという。たとえGoogleのシステムから削除されたとしても、新しいデータによって上書きされていない限り、復元できる可能性があった。
ただ、そうしたデータはアプリケーションやサーバやストレージのさまざまな層にまたがって存在していることから復元は技術的に極めて難しく、実現できたのはGoogleの技術力に尽きると専門家は指摘しているという。
CBSニュースによれば、ガスリーさんの玄関カメラの映像を探し出す難しさについて、元捜査員は「干し草の山の中から1本の針を見つけるようなもの」だったと形容した。
一方で今回の出来事は、プライバシー上の懸念も浮上させている。Googleによる映像復元は、たとえユーザーが無料サービスしか契約していなかったとしても、自分の知らない所でデータがいつまでも保持されていて、会社側がその気になれば、または捜査当局の要請があれば、復元が可能な現実を見せつけた。
「昔から言われている通り、『データは決して削除されない。名称が変わるのみ』。今回のケースはまさに、アップロードされたデータがたとえ削除対象としてマークされたとしても、実際には削除されない可能性があることを物語る」
米国家安全保障局(NSA)の元データ研究員パトリック・ジャクソンさんはCBSニュースにそう語り、今回の映像復元をきっかけに、Googleには捜査当局からこうした要請が殺到するかもしれないと予想している。
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