セクハラ報道に揺れたダイニー(東京都港区)は3月2日、2月1日付で山田真央社長兼CEOが退任し、CTOだった大友一樹氏が社長兼CEOに就任したと発表した。1カ月遅れの発表もさることながら、同時に山田氏が自身のnoteやXアカウントで「セクハラ冤罪」と退任に至る経緯を詳細に説明するという、異例の事態になっている。
その冒頭、山田氏は騒動の影響で銀行融資が見送られたり、マンションの内見を断られたりと公私を問わず支障が出ているとして、自らの手で名誉を回復する意思を示した。「この数カ月で、冤罪は放置すると『事実』として定着すると学んだ」。
さらに社外取締役達や一部株主との関係悪化により、辞任に追い込まれるまでの状況を詳細に語っている。これによると、本人不在の取締役会で「追放」が決まったのは、第三者委員会による調査結果やセクハラ報道が出る前だったという。何があったのか。
なお、この投稿についてITmedia NEWSがダイニーに真偽確認と会社としての対応を聞いたところ「今回の個人の発信に関しては、会社としてはコメントを控える」との回答があった。投稿は山田氏本人のものであると認めた上で、内容に関する言及は避けた形だ。
山田氏の投稿によると、発端は2025年の春ごろに行った一部従業員への「退職勧奨」だったようだ。CNET Japanの記事によると、AI活用で業務効率化が進んだことを理由にエンジニアやコーポレート部門の社員30〜40人に退職を勧奨したという。この時も山田氏は自身のnoteに経緯や心情を書いている。
その後、社内に山田氏が社内でセクハラを行っているという噂が流れた。11月にはある従業員がその内容をメディアに伝える。いわゆるタレコミだ。ただし噂については、後日の調査で「友人が退職勧奨の対象となり、むかついて嘘をついた」と当事者が話しているという。
11月16日、通常とは異なる非公式なルートで、あるメディアから取材依頼が入った。すると取締役会は、その日のうちに山田氏抜きで「代表取締役の解職および会社からの追放」を決定。反論の機会は与えられなかったという。
山田氏は「後で分かったのですが、社外取締役たちとしては、どうやら『(メディアが)この接触をしてくるということは、確実に記事が出る』という判断をしたようで、そうであれば『トカゲの尻尾切り』的な形で、先んじて害悪な存在を切ってしまおうという意思決定のようでした」と振り返っている。
当時、すでに社内では噂の真偽を確かめるため、アンケート調査や外部の弁護士など第三者による調査が行われており、12月には「セクハラ含む不法行為なし」という調査結果も出た。
しかし、辞任圧力は逆に強まったという。
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