公正取引委員会は3月11日、優越的地位にある大企業などが、中小企業の持つ知的財産権やノウハウを無償あるいは安く買い叩くといった取引の実態を調査した結果を発表した。知的財産権などを保有する企業の15.8%が「納得できない条件を受け入れた」ことがあった。
アンケート調査で製造業・情報通信業を中心に6973社から回答を得た。このうち知的財産権や独自のノウハウ、機械の稼働状況などの産業データを保有している事業者は3824社(54.8%)。しかし知的財産権などの取り扱いをチェックする担当者、あるいは外部専門家のいずれかがいない事業者が1913社と半数を占めた。
過去に納得できない内容の取引条件などを受け入れた経験がある事業者は603社で、知的財産権などを保有する企業の15.8%だった。これにはNDA(守秘義務契約)を締結するように求めたが取引がなくなる可能性を示唆されて拒否されたケースや、契約内容にない設計図面データなどの無償提供を求められたケース、納品後にプログラムの著作権が取引先に無償譲渡される契約を締結させられたケースなどがあった。
公取委はこのうち148件についてヒアリング調査も行い、71の事例を類型化した。今後は独占禁止法違反行為には厳正に対処する他、公取委、中小企業庁、特許庁の連名で独占禁止法などの考え方を示す指針を策定して公表する方針だ。
公取委は、知的財産権やノウハウは中小企業の成長の源泉であり、賃上げ原資にもなるため、安く買い叩かれるようなことがあればイノベーションが起きにくくなると指摘。実態調査を基に独占禁止法の指針策定や取適法の運用基準の見直しにつなげることが必要としている。
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