3月に東京など世界各地を会場に開催されたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を米Netflixが日本で独占生配信した結果、関西電力グループのオプテージが提供する光回線サービス「eo」で大会期間中、動画配信サービス向け通信量が通常時の約10倍に達したことが分かった。加入件数にも一定の反響があり、WBC配信が通信需要の押し上げと新規契約の呼び水になった格好だ。
Netflixは3月5日〜18日、20の国・地域が参加したWBCの全47試合を日本で独占配信した。同社が公表したデータによると、国内での全試合の総視聴者数は延べ3140万人に達し、同8日に東京ドームで開催された日本対オーストラリア戦の視聴者数が1790万人で最多だった。注目度の高い国際大会を配信サービスが独占配信したことで、通信量が急増したようだ。
ネットワーク全体への波及も大きかった。NTT西日本によると、大会期間中、Netflix以外も含む全体の通信量が平時に比べ約4割増えた。オプテージの10倍は動画配信サービス向け通信量に限った増加で、NTT西とは算定対象が異なるが、WBCが通信量を押し上げた構図は共通する。
Netflixは大会前の2月19日から新規登録者や一定期間前に解約した元会員向けに、初月料金を最大半額にするキャンペーンも実施しており、一時的な会員増も通信量増加を後押ししたとみられる。
インターネット行動分析のヴァリューズ(東京)が、Netflixのサイトとアプリの利用者数を推定したデータ(テレビ視聴を含まず、アプリはAndroidのみ)によると、1日当たりの国内利用者数は今年1〜2月の平均で約221万人だったが、大会期間中の3月5〜18日には約461万人と約2.1倍に膨らんだ。
大会終了後の3月19日〜4月9日は約316万人と期間中から約3割減ったものの、なお1〜2月平均を4割強上回っており、大会特需の反動減を経ても利用水準は高止まりしたとみられる。
動画配信の普及自体も、通信需要の拡大を支えている。ICT総研(東京)によると、有料動画配信サービスの利用者数は2025年末に3890万人に達し、26年末には4000万人を超える見通しとなっている。
総務省が集計した固定回線の通信量の統計では、25年11月時点で、1契約当たりの月間ダウンロード通信量は前年同期比14.6%増の約294.1GB。動画配信やオンラインゲームが通信量増を牽引(けんいん)しているという。
配信視聴が日常化するなか、WBCのような人気コンテンツの独占配信は通信網への負荷を一段と高めたようだ。(桑島浩任)
copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.
Special
PR