平成電電、ソフトバンクを提訴 「おとくライン」販売差し止め求める
平成電電は11月29日、同社の直収型固定電話サービスの営業秘密を、「ソフトバンクが子会社の日本テレコムに不正開示し、日本テレコムの直収型サービス『おとくライン』に流用したのは違法」だとして、不正競争防止法に基づき同サービスの販売差し止めなどを求める訴訟を東京地裁に起こした。
平成電電は直収型サービス「CHOKKA」を展開している。同社によると、同社とソフトバンクは今年3月下旬から5月下旬、ソフトバンクによる同社の買収を交渉。この過程で、ソフトバンクは秘密保持契約を結んだ上でCHOKKAの営業秘密を取得した。だが買収は成立せず、ソフトバンクは5月末に日本テレコムの買収を発表。日本テレコムは8月末、「おとくライン」を12月1日に開始すると発表した。
平成電電は(1)ソフトバンクは秘密保持契約に違反し、取得した営業秘密を日本テレコムに不正に開示した、(2)日本テレコムはこの営業秘密を「おとくライン」に使用した──と主張。同法が禁じている不正競争行為のうち、ソフトバンクの行為は適法に取得した営業秘密の不正開示(2条1項7号)に、日本テレコムの行為は不正開示された営業秘密の転得使用(同8号)に当たるとし、ソフトバンクに対しては営業秘密の開示の差し止めを、日本テレコムには「おとくライン」販売の差し止めをそれぞれ求めた。同時に同内容の仮処分申請も申し立てた。
「広告内容などから総合的に判断」
CHOKKAは2003年11月、新電電としては初となる直収型サービスとしてスタート。ユーザーの回線を平成電電のインフラに直収する固定電話サービスで、NTTの施設設置負担金(電話加入権)が不要かつ割安な通話料で利用でき、4万回線が加入している。
平成電電はCHOKKAを主力サービスと位置付けているが、開局作業などインフラ整備などで苦戦中で、同社全体の売り上げに占めるCHOKKAの割合は5%以下にとどまっている。
不正開示・使用されたと主張する営業秘密については、「直収型サービスに関する広範な内容」として詳細は明らかにしなかったが、日本テレコムの広告内容などから総合的に判断したという。
同日会見した佐藤賢治社長は「おとくラインは平成電電の営業秘密がないと開始できないサービス。方式や機械などはCHOKKAとほぼ同じだ」と主張する。
一方で、KDDIが来年2月にスタート予定の直収型サービス「メタルプラス」は、「CHOKKAとは違う方式だと思う」(佐藤社長)とした。
日本テレコムは提訴について「訴状の内容を見ていないので具体的なコメントはできない」としながら、「おとくラインサービスの開発は独自に取り組んできたものであり、他社情報を不正に使用した事実はない。いずれにしても、法廷の場で事実を明らかにする」として争う構えだ。
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