ネット時代の新潮流――CGMとは(7)
“ネットの声”をお金にするには(1/2 ページ)
CGM(Consumer Generated Media)は一般的に「ブログやSNSなど、ユーザー参加型サービスでユーザーが発信するコンテンツ」ととらえられています。この定義を広げ、「あらゆる知恵を、消費者が意識的にインターネットの世界に情報発信することで生成されたものすべて」とした場合、CGMから直接・間接的に収入を得る手段は、多様性に富んだものになるでしょう。
CGMを確実に収益に結び付けているビジネスもあれば、YouTubeのように、大量のアクセスを集めながらも、収益化の道がはっきりしないビジネスもあります。ライブドアブログも国内最大の会員数とトラフィックを持ちながら、収益源についてはいまだに試行錯誤が続いている状況であり、CGMをビジネス化するには、まだまだ発明しなければならない領域が大いに残されていると言えます。
CGMビジネスの可能性
そもそもインターネットは、世界中に散らばった個々の人間と、そこから発信される情報(=広義のCGM)のネットワークです。Googleは、これらぼう大なCGMから、価値があると思われるものを瞬時に探し出すことで、大きな利益を生み出しており、CGMを利用した最も成功しているビジネスモデルであると言えます。
Linuxなどのオープンソースも、「消費者が生成するプログラミング技術」という、広義のCGMの集積から発生しているものであるといえ、これから間接的に利益を得る者が現れています。
Amazonは、書籍の感想(レビュー)というCGMを利用し、書籍の売り上げを伸ばしています。iTunesやNapsterは、単なる楽曲の販売サイトともいえますが、音楽生活というCGMの集積に支えられたビジネスであるとも言えます。
CGMを利用して収入を得、成功を収めているビジネスモデルのジャンルは拡大傾向にあり、今後も様々なジャンルの知恵(広義のCGM)を持ち寄り、集合体とすることで、新しいビジネスモデルが発見されるでしょう。
ビジネスモデルのタイプ
1、広告型
……CGMに広告を掲載し、広告主から出稿料を徴収するビジネス。
(1)コンテンツマッチ広告
ブログなどのCGMに、その本文の内容にマッチした広告を自動的に掲載し、その広告がクリックされるたびに広告主より利用料を徴収します。
例:各種ブログサービスとGoogle AdSense
(2)検索連動型広告
ブログ検索を初めとしたCGM検索の結果画面に、検索キーワードに関連した広告を表示。クリックされるたびに広告主から利用料を徴収します。
例:各種CGM検索とGoogle AdWords
(3)編集されたCGMへのバナー広告
Webサイト運営者が技術的に、または人の手でCGMを集め、編集して整理し、CGMの集合体(情報が整理され一覧性を持ったCGMの集合体)を形成し、企業のブランディング広告を掲載します。
集められるCGMのジャンルにより、さまざまなメディアを構築できます。コンテンツを地域ごとにくくれば、地域CGMポータルサイトとして、新聞の折り込み広告市場を取りに行くことも考えられます。
(4)キーワードリンク型
CGM内に含まれるキーワードにリンクを生成し、リンク先にキーワードに関連した広告主のWebページを用意します。
2、販促型(コマース型)
……CGMを利用し、販売を促進することで収益をあげているビジネス。
(1)アフィリエイトネットワーク
ブログなどのCGMに、アフィリエイトバナーを簡単に貼り付けることができる環境を用意し、ブログの作者がアフィリエイト手数料を得られるようにし、その一部を運営者が徴収します。
同様な仕組みとして、「ドロップシッピング」(ブロガーなどが在庫負担なしでEC事業者になれる仕組み)でも、ブロガーが手に入れた利益をブログ運営者に分配する、というサービスが現れ始めています。
例:livedoorブログほか各種ブログサービス
(2)レビュー型
その商品の感想を発信させ、それを見た人たちの購買意欲を促進することで、CGMから直接収益を生むのではなく、物販から間接的な利益を得ています。
例:Amazon、iTunesなど
3、エスクロー型
……情報発信する人と、情報を探しているをマッチングし、販売に関する課金決済を提供することで手数料を得るビジネス。
(1)コンテンツ課金型
「Google Video Store」には将来、動画を投稿したユーザーが、視聴したユーザーから料金を取ることができるCtoC(消費者-消費者間)の課金システムを提供し、Googleが決済手数料を得る仕組みが導入される見込みです。
例2:Vector
Vectorは、個人が作成したソフトウェアを有料販売できる課金決済システムを提供することで、手数料を得ています。
(2)オークション型
売りたい人と買いたい人の情報をマッチングさせ売買を成立させることで、手数料を得ます。
物を説明するための情報(広義のCGM)を生成することで売買に結び付けている点では、オークションもCGMビジネスと言えます。
4、データーベース型
……消費者が発信する情報をデータベース化し、サービスとして提供することで、直接的、または間接的に収益を得ているビジネス。
(1)リコメンデーション型
消費者の購買履歴をデーターベース化し、それを他の消費者が共有することで、次に何を購買すべきかの情報を提供し、販売促進します。
(2)ナレッジ共有型
例:Cloudmark
Cloudmarkはスパムメールをブロックするサービスを提供している会社なのですが、スパムメールのデータベースは、ユーザーからの情報です。ユーザーがスパムを見つけた場合に「SpamNet」というコミュニティーへ情報を送信し、サーバーが処理し、スパムと判定したものが蓄積され、データベースになります。
Cloudmarkはこのデータベースを利用し、企業などに、スパムメールブロックサービスを提供することで収益をあげています。別の言い方をすると、消費者の発見という知恵をデータベース化することでビジネスが成立している例です。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
2
「年齢は合ってますが、人間ではありません」 6歳の飼い猫に届いた“進研ゼミの案内” なぜ届いたのかベネッセに聞いた
-
3
「5年でバッテリーが使い物にならなくなる」は本当か テスラ「モデル3」5年目点検で分かったこと
-
4
GMO熊谷代表「社内ホワイトハッカーが事前に指摘」も対策遅れ、国に「能動的サイバー防御」要請 「責任転嫁では」SNSで批判も
-
5
グッスマに不正アクセス、公式EC閉鎖 会員の住所や注文履歴など漏えいか 再開目処立たず
-
6
ジョーシンへの不正アクセス、最大623万件漏えいか 運転免許証2件・マイナカード1件なども
-
7
野村総研、サイバー攻撃時の「能動的なシステム停止」を支援する新サービス
-
8
タイムズカー流出で顧客らが損害賠償求め運営会社提訴へ サイト開設の弁護士が記者会見
-
9
Xの「いいね」長押しで1ドル送金 マスク氏が“投げ銭”機能を予告
-
10
「漏えい」の一言で素通り客が振り返る──相次ぐ情報流出の中で開幕のセキュリティ展示会 来場者の態度も激変
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR