ホラーは苦手なマンガ家、伝説のクソゲー「四八(仮)」で肝を冷やす:サダタローのゆるっと4コマ劇場
連日の酷暑で夏バテ気味の私サダタロー。これは「ホラーゲームで肝を冷やすしかない!」ということで、PlayStation2本体を引っ張り出してきて伝説のクソゲーとして語り継がれているホラーゲーム「四八(仮)」をプレイすることにしました。
連日の酷暑で夏バテ気味の私サダタロー。これは「ホラーゲームで肝を冷やすしかない!」ということで、PlayStation2本体を引っ張り出してきて伝説のクソゲーとして語り継がれているホラーゲーム「四八(仮)」(以下「四八」)をプレイすることにしました。
「四八」は47都道府県の怪談話を読み進めていくサウンドノベル形式のホラーゲーム。しかし致命的なバグが見つかるなど発売後の評価は芳しくなく、2007年の「クソゲー・オブ・ザ・イヤー」(KOTY)に選ばれてしまいました。当時のネットでの盛り上がりは「四八ショック」と呼ばれるほどで、クソゲー耐性高めなボクもずっとこのゲームが気になっていました。
全100話超とうたっている物語には、伊藤潤二氏や、つのだじろう氏といった有名作家が手掛けた読みごたえのある話がある一方、内容の薄いものも多く、中にはご当地の観光案内のような話も結構あります。物語を読み進めるためには様々な条件を満たす必要があるのですが、面白い物語ほどクリアしにくいので序盤は物語がつまらないし、やっと面白い物語を読めるようになってもすでにゲーム自体に飽きがき始めていて……ウン、こりゃ確かにクソゲーです。
でも、登場人物がクロスオーバーして別の物語に影響を及ぼしたり、物語の内容によってプレイスタイルをアレンジしていたり……そのすべてがあまり上手くいってはいませんが、色々と趣向をこらそうとしていたのは個人的に好印象でした。志半ばで商品として世に出してしまった印象の強いこのゲームは確かにクソゲーですが、もっとひどいゲームはたくさんあります。「四八」はなぜ伝説とまで呼ばれることになったのでしょうか?
当時の「四八ショック」について研究している文献(こちら、面白いのでオススメです!)を中心に色々調べてみたところ、発売年前後でKOTYを決める方法が変化したり、ゲーム実況動画の登場で認知度が向上したりとクソゲーにおける大きな転換期だったそうで、それが評価に影響した可能性はあります。
そういう意味で当時のゲーム文化や風俗を感じられる資料的価値のあるゲームともいえる四八、プレイ環境を整えるのが難しくはありますが、一度触ってみるのもいいと思います。ただし肝は冷えません。
著者紹介:サダタロー
1998年にテレビ番組「トロイの木馬」出演をきっかけに漫画家デビュー。代表作は「ハダカ侍」(講談社、全6巻)、「ルパンチック」(双葉社、1巻)、「コミックくまモン」(朝日新聞出版、既刊7冊)など。現在、熊本日日新聞他で4コマ漫画「くまモン」を連載中。Pixivはsadataro、Twitterは@sadafrecce。
連載:サダタローのゆるっと4コマ劇場
漫画家のサダタローさんが、世界初の電脳編集者「リモたん」と一緒に話題のアレコレについてゆる〜く語る4コマまんが新連載。たぶん週末に掲載します。連載一覧はこちら。過去の連載はこちらからどうぞ。
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