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Core 2 Duo+8時間+8万円台で「市場に革命を起こす」──エイサーの“本命”「Aspire Timeline」発表(3/3 ページ)

日本エイサーは、Acerブランドの新シリーズ「Aspire Timeline」を発表。Core 2 Duoと8時間駆動、1キロ台、2Gバイトメモリ、1366×768ドットの13.3型ワイド液晶を搭載し、8万円台という低価格を実現した。6月5日に発売する。

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「戦略的価格」を実現できた理由

 AcerはワールドワイドでAcer(Aspireシリーズなど)、Gateway、Packard Bell、eMachinesの4つを軸に、地域やユーザーセグメント、ユーザーニーズごとにマルチブランド・マルチシリーズ展開を行う。Aspire Timelineがここまで戦略的な価格帯となる理由も、このマルチブランド戦略による効果が大きい。

AcerグループのJ.T.ワンCEO兼Acer会長(左) 日本エイサーのボブ・セン社長(右)

 「日本(のノートPC)市場は、特別なデザインや仕様が必要。ただ同一仕様で安価にワールドワイド展開したAspire oneと同じように、Aspire Timelineも世界規模で販売するので製造コストの削減が期待できる。仕様も20万円台以上で展開する競合機種と比べて妥協点はなく、メリットを存分に感じていただけるであろう自信がある」(AcerグループのJ.T.ワンCEO兼Acer会長)

 「市場に革命を起こせる、“Netbookの次のステージ”はないのか──我々は“ある”と導き出した。Aspire oneはおかげさまで多くのユーザーに支持されているが、モバイルノートPCユーザーのニーズを1台でまかなうほどの性能は残念ながらない。画像や映像の編集を含むハードユースや、長期間の出張といった用途には向かないと思う。Aspire Timelineはそのようなユーザーが望む、1インチ以下の厚さ、1キロ台の重量、8時間以上駆動するバッテリー性能、そして安価を実現するノートPCに仕上げた。これは日本のモバイルノートPCユーザーのニーズも満たせると思う」(日本エイサー代表取締役のボブ・セン社長)

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Acer、Gateway、Packard Bell、eMachinesの4ブランドで展開する

 モバイル利用におけるニーズには、重量やバッテリー駆動時間以外に「快適さ」も挙げられる。Aspire TimelineはNetbookやミニノートPCに採用例が多いAtomではなく、超低電圧版のCore 2 Duoを採用したことで実現する実質速度以外に「熱くならない」工夫も取り入れた。CPUなどが発する熱源と底面の間にエアフローを発生させて冷却する、インテルの「Laminar Wall Jets Technology」を採用によりボディ表面が熱くならず、長時間のモバイル利用も快適に行えるとしている。

超低電圧版のCPUや独自の電力管理技術を採用し、長時間駆動を実現(左) 「Intel Laminar Wall Jets Technology」により、ひざの上に載せて利用する場合も不快な熱を感じにくい構造になっている
Aspire Timelineで同社が狙う新しいセグメント

単体GPU、SSD、3G/WiMAXなど、追加オプションもきちんと用意する予定

 Aspire Timelineは基本モデルのAS3810TとAS5810T以外に、単体GPU(ディスクリートGPU)モデルや、SSDオプション、Centrino 2 プロセッサー・テクノロジー(Centrino 2)準拠モデル、3GワイヤレスWAN(HSPA)/モバイルWiMAXモジュール内蔵モデルなどの追加も予定する。

単体GPUやSSD、ワイヤレスWAN、モバイルWiMAXなどのオプション展開も予定する

 単体GPU搭載モデルは、ATI Mobiloty Radeon HD 4330などの選択肢を2009年7月以降を目標に用意する予定だという。負荷の高い処理時は単体GPUを使用し、通常利用時はチップセット内蔵のグラフィックス機能でバッテリー消費を抑えたいといった使い分け用途のニーズを満たすものとなる。外付けGPU使用時はチップセット内蔵グラフィックスの競合機種と比較し、3倍以上の3DMark06スコアを実現するとしている。

 SSDオプションは、当初はインテル製の80Gバイトモデルから。追って160Gバイトモデルなども追加する予定だ。SSDとCentrino 2プラットフォームにより、バッテリー駆動時間は標準モデルの8時間から最大10時間まで延長される。

 3GのワイヤレスWANやモバイルWiMAX(日本ではUQ WiMAX)の内蔵も、今後意欲的に行っていく考えだ。日本におけるワイヤレスWANの実装は通信事業者との兼ね合いもあり、どの通信事業者と連携するかももちろん未定だが、できるだけ早く実現したいという。

「Windows 7」はどうする?

 発表会場では、エイサー製品のWindows 7への対応についても言及された。

 基本的には、NetbookのAspire oneシリーズはWindows 7 Starterを採用し、Windows Vista Home Premium(SP1)を採用するAspire TimelineシリーズもWindows 7Home Premiumへのリプレースを予定する。ただ、法人需要も担うTravelMateシリーズも含めて、当分はWindows Vistaの選択肢も残すようだ。

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