Core i3/i5/i7と広色域16.4型フルHD液晶を備えたハイグレードノート――「VAIO F」:2010年PC春モデル
AV機能重視のノートPC「VAIO F」は、ダブル地デジチューナーやダビング10対応のテレビ機能を継承したうえで、クリエイティブ用途までカバーする仕様強化がなされた。
- VAIO 2010年春モデル全体の概要はこちら→2010年PC春モデル:ソニー、CULVノートからCore i搭載機まで「VAIO」春モデルを一挙発表
フルモデルチェンジでクリエイティブ用途にも対応
「VAIO F」は、16.4型ワイド液晶ディスプレイを搭載するAV機能重視のノートPCだ。2010年春モデルではフルモデルチェンジを行い、ボディデザインの一新をはじめ、CPUやチップセットの世代交代、GPU向けプログラミング統合開発環境「NVIDIA CUDA」と独自ソフトを組み合わせた高速映像編集もサポートするなど、大幅な仕様強化が見られる。
店頭販売向けの標準仕様モデルは、ボディカラーやCPUなどのスペックで差を付けた3モデルを用意。発売予定日は1月23日だ。モデル名と予想実売価格は、上位から順に「VPCF119FJ/BI」が24万円前後、「VPCF118FJ/W」が19万円前後、「VPCF117FJ/W」が17万円前後となっている。
3モデルともダブル地デジチューナーによる高度なテレビ機能を2009年秋冬モデルから継承しているほか、最上位のVPCF119FJ/BIはハイエンドノートPC「VAIO A」譲りの広色域ワイド液晶ディスプレイ、クアッドコアのCore i7、NVIDIA CUDAによる高速映像編集という3つの要素を備え、クリエイティブ用途向けモデルの「VAIO Creation Line」に位置付けられている。
45ナノのクアッドコアCore i7と広色域液晶を備えた最上位機
VPCF119FJ/BIはCPUにクアッドコアのCore i7-720QM(1.6GHz/Intel Turbo Boost Technology利用時は最大2.8GHz/3次キャッシュ6Mバイト)を採用。ハイパースレッディング(HT)によって、同時に8スレッドを処理できる。VAIOノートにクアッドコアCPUが搭載されたのは、今回が初めてだ。
チップセットはIntel PM55 Express、メインメモリは4GバイトDDR3 SDRAM(2Gバイト×2/PC3-10600)、GPUはNVIDIA GeForce GT 330M(専用グラフィックスメモリ1Gバイト)、HDDは500Gバイト(5400rpm)、光学ドライブはBlu-ray Discを搭載する。
液晶ディスプレイは1920×1080ドット(フルHD)表示対応の16.4型ワイドパネルを装備。Adobe RGBカバー率100%の広色域に対応し、アンチグレア、低反射コートが施された「VAIOディスプレイプレミアム」を採用する。ディスプレイにはICCプロファイルが適用され、カラーマネジメント対応アプリケーションを使用する際、Adobe RGBの画像をほぼ正しい発色で再現できるとしている。推奨キャリブレーションセンサーはエックスライトの「ColorMunki Photo」だ。
通信機能は最大送受信速度300Mbpsに対応したIEEE802.11a/b/g/nの無線LAN、1000BASE-Tの有線LAN、Bluetooth 2.1+EDRを搭載。インタフェース類は、2基のUSB 2.0、eSATA/USB 2.0、4ピン(S400)のIEEE1394、アナログRGB出力、HDMI出力、ヘッドフォン/光デジタル音声出力(丸型)、マイク、FeliCa 2.0、有効画素数31万画素のWebカメラを備える。カードスロットは、メモリースティック デュオ(PRO-HG対応)用、SDメモリーカード(SDHC対応)用、ExpressCard/34用をそれぞれ搭載する。
新設計のボディは新たにテンキー付きキーボードを備え、ボディカラーはプレミアムブラックを採用する。本体サイズは387.2(幅)×263(奥行き)×31~43.5(高さ)ミリ、重量は約3.2キロだ。バッテリー駆動時間は標準で約2時間、別売のLバッテリー装着時で約3.5時間とされている。
OSは64ビット版のWindows 7 Home Premiumがプリインストールされる。アプリケーションは、2010年春モデルで新たに追加されたソニーオリジナルの写真・動画管理ソフト「PMB VAIO Edition」とサポートソフト「VAIO Care」を搭載。PMB VAIO EditionはNVIDIA CUDAにより高速な映像編集が行える。VAIO Careは本体に設けられたASSISTボタンを押すだけで、起動することが可能だ。
そのほか、独自のテレビ視聴・録画・管理ソフト「Giga Pocket Digital」やメディアプレーヤーソフト「Media Gallery」、オフィススイートのOffice Personal 2007や、写真管理・RAW現像ソフト「Photoshop Lightroom 2」、フォトレタッチソフト「Photoshop Elements 8」、ビデオ編集ソフト「Premiere Elements 8」、音楽編集ソフト「DigiOnSound 5 L.E. for VAIO(HDV対応版)」、印刷プラグイン「Epson Print Plug-In for Photoshop」などを備えている。
下位2モデルは32ナノのCore i3/i5を搭載
VPCF118FJ/WはVPCF119FJ/BIのCPUをデュアルコアのCore i5-520M(2.4GHz/Intel Turbo Boost Technology利用時は最大2.93GHz/3次キャッシュ3Mバイト/HT対応)に、メインメモリを4GバイトDDR3 SDRAM(2Gバイト×2/PC3-8500)に、GPUをNVIDIA GeForce 310M(専用グラフィックスメモリ512Mバイト)に変更したミドルレンジモデルだ。
VPCF117FJ/WはVPCF118FJ/WのCPUをデュアルコアのCore i3-330M(2.13GHz/Intel Turbo Boost Technology非対応/3次キャッシュ3Mバイト/HT対応)に、光学ドライブをDVDスーパーマルチに変更したエントリーモデルとなっている。
これら2モデルは、VAIOディスプレイプレミアムより色域が狭いグレアパネルの「VAIOディスプレイ」を搭載しており、カラーマネジメントは考慮されていない。画面サイズは16.4型ワイド、解像度は1920×1080ドットで上位モデルと同じだ。
通信機能やインタフェース、テンキー付きキーボード搭載のボディデザインも共通化されているが、カラーはホワイトを採用する。バッテリー駆動時間は標準で約2.5時間、別売のLバッテリー装着時で約5時間だ。
OSは64ビット版のWindows 7 Home Premiumがプリインストールされる。アプリケーションについては、NVIDIA CUDAが利用できるPMB VAIO Editionや、ボタン1つで起動できるVAIO Careを搭載する一方、Photoshop Lightroom 2やDigiOnSound 5 L.E. for VAIO(HDV対応版)、Epson Print Plug-In for Photoshopは省かれており、Photoshop Elements 8とPremiere Elements 8は30日間体験版となる。
直販モデルは「TransferJet」の内蔵も可能
なお、ソニースタイル直販のVAIOオーナーメードモデルも同時発売される。最小構成価格は11万4800円だ。
標準仕様モデルよりハイスペックな構成で購入できるのが特徴で、クアッドコアCPUのCore i7-820QM(1.73GHz/Intel Turbo Boost Technology利用時は最大3.06GHz/3次キャッシュ8Mバイト)、最大8Gバイトのメインメモリ、最大512GバイトのSSDや最大640GバイトのHDD(5400rpm)、64ビット版のWindows 7 Ultimate/Professionalなどが選べる。
また、環境光センサーに連動したバックライト付きの英字キーボード、直販限定カラーのグレー、外部機器とのワイヤレス接続を想定した近距離無線転送技術「TransferJet」、プロ向けの総合クリエイティブスイート「Adobe Creative Suite Production Premium 4」といったメニューも用意されている。
VAIO Fシリーズ店頭モデルの概要(その1) | ||||||||
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シリーズ名 | モデル名 | タイプ | 従来比較 | CPU | メモリ | HDD | OS | 実売 |
VAIO F | VPCF119FJ/BI | 2スピンドル | フルモデルチェンジ | Core i7-720QM(1.6GHz) | 4096MB(DDR3) | 500GB | 64ビット版7 Home Premium | 24万円前後 |
VPCF118FJ/W | 2スピンドル | フルモデルチェンジ | Core i5-520M(2.4GHz) | 4096MB(DDR3) | 500GB | 64ビット版7 Home Premium | 19万円前後 | |
VPCF117FJ/W | 2スピンドル | フルモデルチェンジ | Core i3-330M(2.13GHz) | 4096MB(DDR3) | 500GB | 64ビット版7 Home Premium | 17万円前後 | |
VAIO Fシリーズ店頭モデルの概要(その2) | ||||||||
シリーズ名 | モデル名 | 液晶 | 解像度 | チップセット | 光学ドライブ | GPU | TV機能 | 重量 |
VAIO F | VPCF119FJ/BI | 16.4型ワイド | 1920×1080 | Intel PM55 | BD-R/RE対応Blu-ray Disc | GeForce GT 330M | 地デジ×2 | 約3.2キロ |
VPCF118FJ/W | 16.4型ワイド | 1920×1080 | Intel PM55 | BD-R/RE対応Blu-ray Disc | GeForce 310M | 地デジ×2 | 約3.2キロ | |
VPCF117FJ/W | 16.4型ワイド | 1920×1080 | Intel PM55 | 2層対応DVDスーパーマルチ | GeForce 310M | 地デジ×2 | 約3.2キロ |
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