“Ivy Bridge”でUltrabookは美しくなる:IDF 2011(3/4 ページ)
Intelは、“Ultrabook”でノートPCを再定義するだけでなく、モバイル向けCPUの戦略も大きく見直している。ムーリー・エデン氏がその詳細を語った。
省電力が向上したIvy BridgeがUltrabookの薄さを実現する
Ivy Bridgeには、薄いボディデザインを重視するUltrabookでも快適なパフォーマンスを実現する機能も導入する。“超低電圧版”のIvy Bridgeでは、通常の動作クロックを低く抑えているが、高負荷時には、Turbo Boost Technologyを利用して“通常電圧版”と同等の最大クロックまで上げる「Ultrabook Turbo」をサポートする。エデン氏は、通常電圧版のCore2 Duoを搭載した普及価格帯(ただし、発売当時における実売価格)のノートPCと、Ivy Bridge世代のサンプルCPUを搭載したノートPCでパフォーマンスを比較しても、薄型ノートPCで生じやすい、アプリケーション動作のもたつきなどを感じることはないはずだと訴えた。
使うコアを絞って、そこに電力を集中する
Ivy Bridgeでは、さらなる省電力化のために、多彩なパワーマネジメント機能を搭載する。その1つの機能では、システムの負荷に応じて最小限のコア数で動作するようにし、スレッドをこれらアクティブなコアに優先的に割り当てることで、平均消費電力を大幅に低減することを可能にする。エデン氏は「コアのオンとオフを繰り返すと、ムダな電力消費を生じることがある。最小限のコアを有効にすることは、バッテリー駆動時間を延長することにも大きな役割を果たす」と期待を寄せる。
Intelは、Ultrabookのシステム全体でさらなる省電力化を果たすため、パートナー企業にも協力を求めている。その1つのアプローチとして、エデン氏はLG Displayが開発した液晶パネルのセルフリフレッシュ技術を紹介した。同技術は液晶パネルにメモリを搭載することで、PCから送る画面が書き換わらない限り、ディスプレイ側は画像を表示し続けるというものだ。この技術で、PCと液晶パネルの両方で省電力化を図れる。
Intelは、台湾や中国の企業に対し、革新的な省電力技術やバッテリー技術、薄型ストレージの開発などを促すために、有望な技術に対して総額3億ドルを投資する「Ultrabookファンド」をスタートさせている。これらの施策で開発パートナー企業の後押しすることで「Ultrabookを1000ドル以下、さらにできるだけ安い価格で供給できるようにしたい」とエデン氏は語る。
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