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次のWindows 10大型アップデート「Redstone」は2016年6月と年末に配信か鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(2/2 ページ)

次期大型アップデートとなる「Redstone」に向けて、年末年始にWindows 10 Insider Previewを2回更新したMicrosoft。Windows 10 Mobileも含め、最新動向を見ていこう。

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「Windows 10 Mobile」が本格的に立ち上がる2016年

 「Lumia 950」「Lumia 950XL」など、Windows 10 Mobileプリインストール機の出荷が既にスタートしている一方で、既存のアップグレード対象となるWindows Phone 8.1デバイスへのWindows 10 Mobile OTA(Over The Air)配信はまだ開始されていない。


2015年にWindows 10 Mobile搭載スマートフォンとしていち早く発売されたMicrosoftの「Lumia 950」。日本での発売は未定だ

 その間にも、Windows 10 Mobile Insider Previewは米国時間の2015年12月17日に「Build 10586.36」が提供され、現在の最新版は「Build 10586.63」となっている。末尾2桁の数字は「Cumulative Update」の差分を意味しているようで、素の状態のBuild 10586に累積的アップデートが何回か行われたことになる。一時期、デスクトップ版のWindows 10とモバイル版のWindows 10 Mobileは、Windows 10 Insider Previewのビルド番号が一緒になったが、また両者で差が開きつつあるようだ。

 2015年12月時点でMicrosoftおよびOEMパートナーらは、Windows 10 MobileのOTA配信を2016年1月に行うと予告しており、もう間もなく配信がスタートしそうな気配だ。例えば、米Windows Centralは仏Bouygues(ブイグ) Telecomと蘭T-Mobile Netherlandsが配信日を1月21日と予告していることを伝えており、そう大きなズレもなく各ユーザー向けのOTA配信がスタートすると予想される。

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 Windows 10 Mobileでは、Redstoneのリリースに向けて気になる動きもある。現在、Windows 10 MobileをサポートするSoC(System on a Chip)はQualcommのSnapdragonだけだ。しかし、Redstoneの世代ではよりサポート範囲を広げ、Intel製プロセッサや、Qualcomm以外のARMベースSoCも利用可能になるとみられる。

 理由としては、サポート対象となるSoCを拡大することで開発をさらに促進しつつ、特に途上国向けの市場開拓で「非常に安価なSoC」を用いた低価格スマートフォンの開発を可能にすることが狙いだ。現在、スマートフォンの主要市場はハイエンドからミドルレンジ、さらにローエンドへと移りつつあり、特に100~200ドル前後の価格帯は競争が激化することで、少しでも安価な部品を選択することが重要になりつつある。

 実際、MicrosoftがARM64(ARMv8ベースの64bitアーキテクチャ)の技術者を大々的に募集していたり、Intelプロセッサを搭載した「Surface Phone」のウワサが再燃していたりと、2016年以降をにらんで何かと動きが活発化している様子が伺える。

 なお、Windows RTの復活はないと思われるが、ARMプロセッサ向けのデスクトップ版Windows 10の開発が進んでいるというウワサも出てきた。ただし、これが本当だとしてもWindows RTが狙った一般コンシューマー向けの製品ではなく、業務用途など特定業界向けのソリューションに特化する可能性が高いと考える。

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