Windows 10本命アップデート「Fall Creators Update」の気になる中身:鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(3/3 ページ)
毎年恒例となったMicrosoftの開発者会議「Build」。2017年はクラウドとAIへの注力がより鮮明になったが、まずは身近なWindowsの話題から見ていこう。
(3)クラウドとAIに傾注するMicrosoft
身近なWindowsの話題から紹介したが、今後のMicrosoftや世界のITトレンドを大きく左右するような発表の多くは、1日目の基調講演に詰まっていた。
エッジデバイスをインテリジェント化する「Azure IoT Edge」、本稿でも触れたOffice 365のデータを活用する仕組みである「Microsoft Graph」のさらなる拡張、地球全体にスケールアウトする高レスポンス巨大データベースの「Azure Cosmos DB」、Mac上の開発者も取り込む「Visual Studio 2017 for Mac」などはその一例だろう。
1日目の基調講演の最後には、Microsoft AI and Research担当のハリー・シャム氏が登壇し、同社のAIに対する最新の取り組みを語った。
Skypeのリアルタイム翻訳はその一部だが、PowerPointによるプレゼンテーションの適時翻訳を可能とする「Presentation Translator」や、これらAIの仕組みをフロントデバイスを通じて利用可能にする「Cortana Skills Kit」、29種類まで拡張された「Cognitive Services」と、今日の生活を大きく改善する可能性を秘めた技術の下地は整いつつある。
例えば、写真管理アプリにおける画像検索においても、既にCognitive Servicesを使ったAIによる自動認識なしには成り立たないレベルになりつつある。Microsoft Graphなどの仕組みも合わせて、従来型のファイルシステムやデータ管理システムとの決別がやって来る日は近いかもしれない。
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