アップルは低価格音楽プレーヤーでもイノベーションを生み続ける:担当者が語るiPod shuffle誕生の背景(2/3 ページ)
第3世代iPod shuffleでは、5つのボタンで構成される従来のインタフェースをやめ、新たに本体をボタンレスにしてしまった。このデザインの裏にはどのような狙いがあるのか。アップルのiPod担当ワールドワイドプロダクトマーケティング、ショーン・エリス氏に話を聞いた。
新旧iPod shuffleの機能的な差
――ところで、新iPod shuffleでは、機能的にもいくつか違いがでてきましたよね?
エリス そうですね。バッテリーによる再生時間は10時間で、iPod shuffleとしては初めてプレイリスト再生に対応しました。
――なるほど、容量が増え、その分、曲もたくさん入るようになったからには、プレイリストも必要というわけですね。
エリス その通りです。4Gバイトで1000曲扱えるようになると、今度はその1000曲をある程度、管理する必要がでてきます。そのために有効なのが、プレイリストというわけです。
――それと、もう1つの特徴と言えば、新しいコントロール付きのヘッドフォンですが、これは昨年秋に登場したiPod nanoのヘッドフォンと同じものでしょうか?
エリス ほとんど一緒です。制御ボタンはすべて一緒ですが、リモコン部分をひっくりかえしてみると、マイクがありません。もちろん、昨秋発表したマイク付きのヘッドフォンは、このiPod shuffleでも使うことができます。
新しくなったヘッドフォンと充電ケーブル
――そういえば新iPod shuffleはヘッドフォン端子から充電する仕様で、そのために専用の充電ケーブルが付属していますが、これは従来の第2世代iPod shuffleの充電にも使えるのでしょうか?
エリス いいえ、使えません。
――そうなんですね。新充電ケーブルにそっくりのケーブルが、第2世代用としてサードパーティから発売されているので、てっきり互換性があるのかと思いました。iPod shuffleのパッケージには、「第2世代」「第3世代」といったことは書かれていないので、そのあたりで「初めてiPod shuffleを買う人」は混乱しそうですが。
エリス ただ、必要なケーブル類はすべてアップルから提供されています。机の下などにデスクトップPCを置いて使っている方には、本製品に付属するケーブルの予備と、1メートルの充電ケーブルがセットになった「Apple iPod shuffle USBケーブル」というパッケージも発売しています。また、これから発売される他社製アクセサリでは、対応製品の情報が書き加えられるでしょう。
――そうですね。ただ、初めて買う人には「第2世代」とか「第3世代」といった違いが、なかなか分からないのではと心配です。そうだ、新しいiPod shuffleの4Gバイトという容量は、旧製品とは重ならないので、対応製品の表記には容量を付記すればいいかもしれません。
エリス なるほど、それはいいアイディアですね。まあ、話は広がりましたが、ここまで話してきた特徴の1つ1つが、我々がiPod shuffleで、実現したイノベーションです。
100ドル未満の価格帯の音楽プレーヤー市場で、他社はいかにして価格を下げるかばかりに注目しています。しかし、価格を下げるのもいいけれど、それよりは新たなイノベーションを巻き起こしたほうがいいだろう、というのが我々のアプローチです。
――確かにそうですね。
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