Apple、LTE対応の「iPhone 5」を発表、9月21日発売:iOS 6は19日配信
Appleが9月12日(現地時間)、次世代のiPhone「iPhone 5」を発表した。事前のうわさどおり、4インチの縦長のディスプレイを搭載し、LTEでの高速通信をサポート。日本でも9月21日に発売予定だ。
米Appleは9月12日(現地時間)、米国サンフランシスコでイベントを開催し、かねてよりうわさされていた次世代のiPhone「iPhone 5」を発表した。容量は64Gバイト、32Gバイト、16Gバイトの3モデルで、ボディカラーはブラック&スレートとホワイト&シルバーの2色。米国での2年契約時の販売価格は64Gバイトが399ドル、32Gバイトが299ドル、16Gバイトが199ドル。9月21日に発売する。日本でも21日に販売を開始する予定だ。
iPhone 5の発売に合わせて、すでに発表されている次期OS、iOS 6の配信も9月19日から開始する。既存のiPhone 3GS/iPhone 4/iPhone 4Sや第4世代のiPod touch、iPad 2/新しいiPadでは無料でアップグレードできる。
iPhone 5は、ディスプレイが4インチと大きくなったが、iPhone 4Sより薄く軽い。Retinaディスプレイの解像度は640×1136ピクセル(326ppi)で、iPhone 4Sの640×960ピクセルよりホーム画面のアプリアイコン1列分ほど長くなった。タッチパネルはディスプレイに組み込まれていて、これにより薄型化を実現している。ボディの厚さは約7.6ミリで、iPhone 4S比で18%の薄型化を実現。重量も112グラムと20%軽くなっている。幅は58.6ミリ、高さは123.8ミリ。
高速通信に対応した点も目を引くポイント。LTEをサポートし、米国やカナダだけでなく、日本や韓国でもLTEネットワークが利用できる。日本では、KDDIとソフトバンクモバイルのどちらの通信事業者もiPhone 5向けにLTEを提供する。KDDI向けのモデル(CDMAモデルA1429)ではCDMA EV-DO Rev. AおよびRev. B(800、1900、2100MHz)、UMTS/HSPA+/DC-HSDPA(850、900、1900、2100MHz)、GSM/EDGE(850、900、1800、1900MHz)、LTE(バンド1、3、5、13、25)をサポートしており、KDDIでは主にバンド1の2GHz帯を利用することになりそうだ。ソフトバンクモバイル向けのモデル(GSMモデルA1429)は、UMTS/HSPA+/DC-HSDPA(850、900、1900、2100MHz)、GSM/EDGE(850、900、1800、1900MHz)、LTE(バンド1、3、5)に対応する。ソフトバンクも2GHz帯のバンド1で展開するLTEネットワークが利用できる。
CPUは「A6」で、A5と比べ約2倍の演算性能、2倍のグラフィックス処理能力を持つ。それでいてサイズは22%の小型化を果たした。Pagesの起動が2.1倍、iPhotoでの写真保存が1.7倍速くなるという。
カメラは8Mピクセルの裏面照射型CMOSを採用。スペックはiPhone 4Sのカメラと同じだが、ボディが薄型化したためカメラモジュールのさらなる薄型化を図った。レンズのF値は2.4、サファイアクリスタルでレンズは保護されている。このほか、パノラマ撮影機能が標準搭載される。iPhone 5を縦に持ち、水平に動かせば28Mピクセル相当のパノラマ写真の撮影が可能だ。また1080pのフルHDで動画が撮影できるのはもちろん、動画の撮影中に静止画の写真も撮れるようになる。
インカメラも裏面照射型CMOSに変わり、720p(1280×720ピクセル)での撮影が可能になった。顔認識ができるほか、3Gネットワーク経由でもFaceTimeが使える“FaceTime over Cellular”をサポートする。マイクは音声とノイズキャンセルのため、前、下、裏(カメラ横)と3つも搭載する。
Dockコネクターと呼ばれてきた30ピンの端子は、新たに「Lightning」という名称のコネクタに変わる。Lightningコネクタは8ピンの独自端子で、裏表どちら向きでも挿入できる。DockコネクタとLightningコネクタを変換するアダプタも用意するので、既存の周辺機器も一部は引き続き利用できるという。アダプタの価格は2800円。
バッテリー駆動時間は3Gでの連続通話で約8時間(約480分)を確保。LTEでの連続通信でも8時間の動作時間を確保した。連続待受時間は225時間。また付属のイヤフォンマイクも新たな形状の「EarPods」に変更になる。
関連記事
- iOS端末の販売台数は4億台、iPadは8400万台――Apple、販売実績を明らかに
米Appleがプレス向けイベントで、同社製品の販売実績を説明。iOS端末は4億台、うちiPadは8400万台が販売されたという。 - Apple、「iOS 6」を発表 正式リリースは2012年秋
Appleが開発者向けの年次イベント「World Wide Developer Conference 2012(WDC2012)」で、次期iOSの概要を公開した。今回は新しいiOS対応ハードウェアの発表はなかったが、秋のリリースへ向けて開発者向けにβ版の配布を開始した。新しい対応デバイスも、2012年秋に登場するものと予想される。 - OSとプロダクトのさらなる進化 Appleが創りだすポストPC時代の新基準
今年で23回目の開催を迎えたAppleの開発者会議「WWDC 2012」が6月11日(現地時間)に開幕した。基調講演では、PCとスマートデバイスの未来を切り開く、さまざまな仕掛けと手がかりが示された。Appleの次の一手、そしてそれがどのように世界を変えるのか、考えてみたい。 - それは「後戻りできない進化」――OS X Mountain Lionは、ポストPC時代の新基準を打ち立てた
7月25日、AppleがMac向けの最新OS、OS X Mountain Lionをリリースした。一見、大きな変更はないように見えるかもしれないが、Mountain Lionは後戻りできない進化を遂げている。 - 次期iPhoneに関するうわさ
「iPhone 4S」が2011年10月14日に発売されてからはや10カ月。すでに市場にはこの秋登場する予定のiOS 6に合わせ、次期iPhoneが発表されるとのうわさがあふれている。中には実機のリーク写真とされるものまで出てきた。 - 「ユーザー体験を根本的に変える」――iOS向けの公式YouTubeアプリが登場
iPhoneとiPod touch向けのYouTube公式アプリが提供された。より使いやすいUIに変更したほか、アーティストの公式ミュージックビデオの視聴も可能になった。YouTubeの利用者のうち50%がモバイル端末から動画を視聴しているという日本では、さならる利用シーンの拡大が期待される。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.