先陣を切ったコンバーチブル:日本エイサー「TravelMate C100」インプレッションレビュー

タブレットPCの正式発表とともに発売された、日本エイサーの「TravelMate C100」。一見すると一般的なノートPCだが、液晶パネルを裏返しにするコンバーチブルタイプのタブレットPCだ。このマシンに触れる機会を得たので、ファーストインプレッションをお届けしよう。

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スタイラスペンはパネル部分に収納できる。標準で付属するペンは細く、装備するボタンも一つだけだが、キャンペーンでフルサイズのペンも付属する

 標準で付属するペンは細いが、使い勝手に不足はない。認識精度も問題ないが、縦横の画面表示の向きを切り替えた後には調整を行った方が無難だ。パネル部分はしっかりした作りになっており、かなりの強さでペンを使用しても影響はなく、十分な強度という印象を受けた。ただし、必要以上に力を入れると画面が波打つ。液晶パネルの右下部分には4つのボタンが用意されており、FnキーやAlt、Controlなどといったキーとして使用できる。また、キーの組み合わせで画面の向きを切り替えることも可能だ。コンパクトなサイズのため、タブレットモードで長時間使用しても疲れは少ない。

タブレットモードにしても本体のサイズはまったく変わらない。やや本体を起こした方が使い勝手がいいようだ。長時間使用すると、かなりの熱を持つ

バッテリーとペンが付属するキャンペーンは利用したい

 本製品のハードウェア構成は、CPUにSpeedStep対応のモバイルPentium III-M/800MHz、128Mバイト(最大256Mバイト)のSDRAMメモリ、30GバイトのHDDとなっており、USBによる外付け型の24倍速CD-ROMドライブが標準で付属する。10.4インチの液晶ディスプレイはXGAの解像度を持ち、最大2,048×768ピクセルでの表示も可能だが、XGAを超える解像度で表示する際には全画面表示ではなく、画面をスクロールすることになる。まれに画面表示が間に合わないような動作もあるが、基本的に処理速度は速くサクサクと動く印象があり、ストレスを感じることはなかった。

 またUSB接続の24倍速外付けCD-ROMが標準で付属する。本体はコンパクトだが外部電源が必要で、しかもコンセント部分にACアダプタがあるためプラグが大きい。

 ソフトウェアでは、OSはもちろんWindows XP Tablet PC Editionが搭載され、ほかに「Acer Notebook Manager」「Acer Launch Manager」「Norton AntiVirus」「Adobe Acrobat Reader」などが用意される。また、Smart Cardを活用するための「PlatinumSecret suite for SmartCard」なども付属する。

 本製品には外付けCD-ROMドライブ、Smart Cardのほか、専用のACERロゴ入りキャリングケースも付属する。作りがしっかりしており、PCがぴったり収まるようになっている。サイドにはペンを入れるポケットがあるが、ストラップの類いは用意されていない。単体で持ち歩くのは厳しそうだが、ケースに入れておけば無造作にバッグに入れておいても傷の心配がない。また、オプションで縦置きのスタンドにもなるケースが用意される。

本体に付属するキャリングケース。革風の仕上げでロゴが入り、作りもしっかりしている

 コンバーチブルタイプのタブレットPCという、新しいカテゴリの最初の製品ではあるが、完成度が非常に高い印象を受けた。本製品の実売価格は、Microsoft Office非搭載モデルで25万円弱といったところで、やや割高な印象だ。ただし、前述のように予備のバッテリーとフルサイズのスタイラスペンが付属するキャンペーンを行っているため、買得感は高い。ノートPCスタイルで一台で完結しつつ、タブレットPCとしても使用できるメリットは大きいだろう。ノートPCの買い換えや買い足しを考えているなら、「TravelMate C100」は本命に近い選択肢の一つになるだろう。

▼ 日本エイサー

[吉澤亨史, ITmedia ]

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