「法人向けケータイ」の満足度調査、ドコモが4年連続でトップ:調査リポート
J.D.パワーが国内法人向け携帯電話・PHSサービスの顧客満足度調査を発表。ドコモが4年連続でトップとなった。
J.D.パワー アジア・パシフィックは8月29日、2012年の国内法人向け携帯電話・PHSサービス顧客満足度調査の結果を発表した。
今年で4回目となるこの調査は、従業員を100人以上擁する企業の各種電話サービスの管理・意思決定に関わる人を対象にしたもので、1社が最大2社の携帯電話・PHS事業者を評価して、2764社3646件が回答した。なおデータ通信カードは調査対象外となっている。
顧客満足度ランキングは、NTTドコモが4年連続で第1位を獲得し、次いでKDDI(au)、ソフトバンクモバイルという順になった。ドコモは、「営業対応」「電話機/サービス」「トラブル対応」の3項目で高い評価を得ている。またauはコスト面での評価が高かった。ランキング対象となった4社の総合満足度スコアは2011年よりも差が縮小しており、キャリアによる満足度の差も小さくなっている。
スマホ導入企業で高いソリューション利用率 満足度は伸び悩み
J.D.パワーによると、法人向けケータイを利用する企業でのスマートフォン利用率は、2011年の19%から2012年は25%へと増加。また社内のITシステムと連携させるモバイルソリューションの利用率では、主にスマホを利用する企業では44%、フィーチャーフォンなどを主に利用する企業では22%にとどまった。
また具体的な利用サービスでは、内線ソリューションの利用率はスマホが中心の企業とフィーチャーフォンが中心の企業で差がなかったのに対し、「外出先から社内ネットワークへのリモートアクセス」「メーラー/スケジューラー/アドレス帳等の共有/連携/管理」「ビジネス推進上のシステムとの連携」といった高度な活用になると、主にスマホを利用する企業のほうが利用率が高かった。
ただ、モバイルソリューションに対する満足度はスマートフォンのほうが低いという結果になった。スマートフォンの導入で利用できるサービスには満足するものの、通信品質やトラブル時の対応には満足されておらず、とくにトラブル時の対応に対する満足が低くなった、また、トラブル内容の把握に時間がかかる割合や、最終的にトラブルが解決しないなどの割合も高いという。J.D.パワーでは、モバイルソリューションが高い満足度をもたらすには、付加価値の高いサービスだけでなく、それを支えるサポート体制の強化も欠かせないと分析している。
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