一方で本州に近い淡路島の北端の沖合では、潮流発電の実証実験の準備が進んでいる。本州と淡路島のあいだにある明石海峡は潮の流れが速いことで知られる。陸地から1キロメートル以内の水深が約50メートルの海底に、潮流で回転する水車型の発電機を設置する(図4)。発電能力は300〜500kWで、年間の発電量は50万kWh程度を想定している。2015年度中に運転を開始して、2018年度まで実証実験を続ける予定だ。
日本で初めて本格的な潮流発電を実施する淡路市の岩屋地区では、環境未来島のシンボルとも言える住民参加型の太陽光発電所が2014年3月に稼働した。県立公園の隣接地に0.95MWの発電設備を設置したもので、「住民参加型くにうみ太陽光発電所」と名付けられている(図5)。
総額4億円の「あわじ環境未来島債」を兵庫県が発行して、島民をはじめ島外の県民が全額を購入した。これを資金に発電所を建設して、発電した電力の売電収入をもとに元本を償還する仕組みである。未来島債の購入者には年率0.33%の利息が支払われる予定だ。
淡路島のほかにも兵庫県の各地域で太陽光発電やバイオマス発電の導入計画が相次いでいる。兵庫県内で固定価格買取制度の認定を受けた発電設備の規模は太陽光が全国で9位、バイオマスも10位に入る。すでに運転を開始した発電設備も着実に増えて、太陽光・風力・バイオマスを合わせると全国で3位に躍進する勢いである(図6)。
*電子ブックレット「エネルギー列島2014年版 −関西編Part2−」をダウンロード
2016年版(28)兵庫:「電再生可能エネルギーを100万kW創出、ため池や水道管でも発電」
2015年版(28)兵庫:「太陽光発電の勢いが止まらない、ダムや池もメガソーラーになる」
2013年版(28)兵庫:「ため池や田んぼでも太陽光発電、2020年までに100万kW創出」
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