ダムは太陽光発電にも向いている、兵庫県の2カ所でメガソーラー稼働自然エネルギー(1/2 ページ)

再生可能エネルギーの導入を積極的に進める兵庫県がダムの南向きの斜面を利用してメガソーラーを建設した。2カ所のダムで相次いで発電を開始して、合わせて2000世帯分の電力を供給する。南向きの斜面では太陽光パネルの間隔を狭くして数多く設置できるメリットがある。

» 2016年02月17日 09時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]

 メガソーラーを建設した2カ所のダムは兵庫県の南部にある。1つは姫路市にある水道用の「神谷(こたに)ダム」で、もう1つは加古川市にある工業用水用の「平荘(へいそう)ダム」である。ダムに水を貯えるために造成した堤体の斜面を利用して、太陽光パネルを南向きにびっしりと敷き詰めた(図1)。

図1 「神谷ダム太陽光発電所」の全景。出典:兵庫県企業庁

 神谷ダムでは3万2000平方メートルの広大な斜面に、合計で1万9600枚の太陽光パネルを設置することができた。南向きの斜面は傾斜が26度あり、太陽光パネルの標準的な設置角度である30度に近い。太陽光パネルを斜面に並行に設置すると、パネルの設置間隔を狭くしても、平らな場所のように隣接するパネルに影ができない(図2)。

図2 傾斜地のメリット。出典:兵庫県企業庁

 このメガソーラーの発電能力は5MW(メガワット)に達して、年間の発電量は550万kWh(キロワット時)を見込んでいる。一般家庭の使用量(年間3600kWh)に換算すると1500世帯分に相当する。2月15日に発電を開始したところだ。

 一方の平荘ダムでは1万6000平方メートルの斜面に6300枚の太陽光パネルを設置した(図3)。発電能力は1.6MWで、2月29日に発電を開始する予定だ。年間に180万kWhの電力を供給できて、一般家庭の500世帯分に相当する。平荘ダムの斜面は18度から26度まで3段階に分かれている。上部のほうが角度が大きく、太陽光パネルの設置間隔を狭くすることができる。

図3 「平荘ダム太陽光発電所」の全景。出典:兵庫県企業庁
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