ため池に太陽光パネルを浮かべて発電、530世帯分の電力に太陽光

香川県さぬき市に、ため池を活用した水上メガソーラーが完成した。出力は1.52MW(メガワット)で、年間発電量は一般家庭約530世帯分に相当する約187万kWhを見込んでいる。

» 2017年09月26日 07時00分 公開
[長町基スマートジャパン]

 日本アジア投資(東京都千代田区)が香川県さぬき市で開発を進めていた、フロート式の水上メガソーラー「御田神辺池(みたかべいけ)ソーラー発電所」がこのほど完成し、売電を開始した。

 新発電所の総事業費は約5億円で、約85%を香川銀行からのプロジェクトファイナンスにより調達している。最大出力は1.52MWで、年間発電量は一般家庭約530世帯分の年間使用電力量に相当する約187万kWhを見込んでいる。発電した電力は1kWh当たり税別32円で四国電力に売電する。水面に浮かべるフロート架台は、三井住友建設製を採用した。

「御田神辺池ソーラー発電所」の外観

 御田神辺池ソーラー発電所は、同じくさぬき市内で2017年5月に売電を開始した「野間池ソーラー発電所」に続き、同社にとって2件目の水上メガソーラーとなる。この他にも現在、2件の水上メガソーラーの開発を進めている。

 水上メガソーラーには、地上に建設する発電所に比べ、複数のメリットがある。ため池は周辺に遮へい物が少ない場合が多く、日照条件の良好な場所に建設しやすい。さらに、パネルの設置面を平たんにするための造成工事が不要なこと、水による冷却効果でパネルやケーブル類の過剰な温度上昇が抑制され、発電効率が高まるなどのメリットも挙げられる。

 日本アジア投資では「再生可能エネルギーの固定買取価格制度(FIT)」の買い取り価格の低下に対応するため、低コストな開発手法の研究を進めている。フロート式水上メガソーラーは、その有力な手法の1つとして期待しており、今後とも積極的に案件の開発に取り組んでいくとした。

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