斜面が水路に与える影響をセンサー監視、伊豆の水力発電所でIT活用

日本ユニシスが東京発電が保有する水力発電所に「斜面状態モニタリングサービス」を実証導入。斜面の状態変化が水路設備にもたらす影響をモニタリングし、監視手法としての有効性を検証する。

» 2018年02月09日 11時00分 公開
[長町基スマートジャパン]

 日本ユニシスは、東京発電が保有する水力発電所「仁科川第三発電所」(静岡県西伊豆町)に「斜面状態モニタリングサービス」を提供し、水路設備周辺の斜面の状態変化が水路設備にもたらす影響を監視する実証実験を開始すると発表した。実証実験は2018年3月末までで、監視手法としての有効性、設備保全への適用性を評価する。

 1920年に運転を開始した仁科川第三発電所は、最大出力530KW(キロワット)、最大使用水量毎秒1.95立方メートルで、有効落差33.51メートルを利用して発電する。

 今回の実証実験は、発電所の水圧管路周辺の急斜面地に斜面状態をモニタリングするセンサーを設置。斜面の状態変化のデータを一定期間採取し、監視システムとしての有効性を評価する。採取するデータは振動、傾斜、温度、湿度の他、雨量データや映像データも同時に取得する。

実証実験のイメージ 出典:日本ユニシス

 日本ユニシスは、初めてとなる電力設備保全事業環境での同サービスの稼働実績をベースに、活用フィールドの拡大を図っていく方針だ。東京発電は、実証実験を通じて得られる斜面状態の変化に関する採取データを確認し、斜面状態モニタリングサービスの有効性並びに設備保全への適用性を実証する。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.