ソフトバンク・テクノロジーらは、ドローンを用いた太陽光パネルの赤外線検査にAIを活用した自動解析ツールを開発。これまで数時間かかっていた2MWメガソーラーの解析が3分で行えるという。
ソフトバンク・テクノロジー(SBT、東京都新宿区)は2018年8月、エナジー・ソリューションズ(ESI、東京都千代田区)、M-SOLUTIONS(M-SOL、東京都新宿区)と共同で、ドローンを用いた太陽光発電所の赤外線検査における人工知能(AI)による赤外線画像(IR)自動解析ツールを開発したと発表した。
ESIは、2016年9月に「ドローンアイ」サービスを開始して以来、100カ所400MW以上の太陽光発電所の赤外線検査を実施してきた。これまでの検査ではホットスポットの判別を目視で行い検査報告書を作成してきたが、実施した大量の検査データをSBTが開発した画像認識アルゴリズムを適用させたことで、短時間・低価格でありながらも高精度な異常モジュール検出を実現した。
またMicrosoft Azure上の仮想環境で稼働するドローンアイIR解析ツール(M-SOL開発)との連携により、誰でも迅速・正確に検査解析を行えるようになり、これまで数時間かかっていた2MWメガソーラーの解析が3分で行えるという。また、4パターンのモジュール異常に自動分類し解析結果を出力可能だ。さらに、解析結果をクラウドに保存し、検査結果報告書を即座に作成できる。
SBTが開発を行ったAIによる赤外線画像(IR)自動解析ツールはDeep Learningを使ってセグメンテーションと分類による太陽光発電ファームの不良箇所検出を行っており、ある特定のファームにおいては、従来の検出率を維持したまま誤検出を大幅に除去し、取り組み開始時と比較した正解率が12.5%から93.5%に向上している。今後も画像分類・検出・セグメンテーションといった技術手法の研究を進め、より精度の高い検出による作業効率化およびクラウドメリットを最大限に生かした自動化、機器搭載による処理の高速化・最適化を目指している。
今回開発した自動解析ツールを実装したESIのドローン&クラウドソーラーモジュールIR検査サービス「ドローンアイ」の一般およびドローンアイパートナーへの提供開始は2018年9月の予定だ。また、このシステムは2017年9月に3社共同で特許出願をしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.