岩手県八幡市で地熱発電所の建設がスタート、2024年に稼働を予定:自然エネルギー
三菱マテリアルらの共同出資会社が岩手県八幡平市でこの夏から地熱発電所の建設工事を開始。2024年4月の運転開始を目指す計画だ。
安比地熱は2019年9月、同年8月から岩手県八幡平市で「安比地熱発電所」の建設工事を開始したと発表した。2024年4月の運転開始を目指す。出力は1万4900kW(キロワット)、シングルフラッシュ方式の発電所を計画している。
発電所完成予想図 出典:安比地熱
事業実施区域の位置図 出典:安比地熱
安比地熱は三菱マテリアル、三菱ガス化学および電源開発の共同出資会社で、これら3社による地熱発電共同事業は、2019年5月20日に営業運転を開始した山葵沢地熱発電所(秋田県湯沢市)に次いで2地点目となる。2019年1月には、石油天然ガス・金属鉱物資源機構と同事業に関する債務保証に係る契約を締結した。
安比地熱は、三菱マテリアルと三菱ガス化学が地熱発電事業を可能と判断したことで2015年10月に設立された。その後2018年6月には電源開発が新たに出資を行っており、3社により事業化を推進する。
当初は2018年の建設工事開始を計画していたが、体制変更に伴って2019年の工事開始に変更した。
地熱発電の普及課題に突破口、地下水を使わない世界初のシステムを開発
日本に豊富な資源量があるものの、課題も多く利用が進まない地熱発電。こうした地熱発電のさまざまな課題を解決できる可能性がある新方式の発電システムを、日本のベンチャー企業と京都大学が開発し、実証に成功した。一般的な地熱発電システムのように地下から温泉水をくみ上げるのではなく、地上から送り込んだ水と地中熱を利用するのが特徴のシステムだ。
地熱発電の3つの課題−自然公園、温泉、開発期間−
日本には火山が数多くあって、地下では膨大な蒸気と熱水が発生している。自然の地熱を利用して大量の電力を作ることが可能だ。ただし火山地域には国立・国定公園や温泉があるために、発電所を建設できる場所が限られてしまう。運転を開始するまでの開発期間も10年以上の長期になる。
国内最大級のバイナリー発電方式の地熱発電所、オリックスが北海道に
オリックスが北海道函館市に国内最大級というバイナリー発電方式の地熱発電所の建設を開始。2022年の運転開始を予定している。
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