大阪ガスと積水ハウスが、燃料電池、蓄電池、太陽電池を導入した住宅を構築し、電力系統の安定化関する実証実験をスタート。3つの電池を最適にコントロールしながら、住宅を電力系統の安定化に貢献する「電源」として運用する。
大阪ガスと積水ハウスは2020年3月25日、燃料電池、蓄電池、太陽電池を導入した住宅を構築し、電力系統の安定化関する実証実験を行うと発表した。同年4月1日から約1年間の居住実験を行う計画だ。
両者はこれまでにリノベーションした既存住宅にて長期居住実験を2016年12月から2年間実施し、燃料電池の最大活用などにより、「ネットゼロエネルギー」での住宅運用を成功させている。
今回の実証では、 | 3つの電池を搭載する住宅を構築し、太陽電池の発電電力の変動に合わせて燃料電池や蓄電池を制御し、電力系統への変動を抑制することで、電力系統への影響最小化を目指す。また、電力系統内において太陽光発電などの再生可能エネルギー電源からの供給電力が過剰となった場合、燃料電池の発電電力を下げたり、蓄電池を充電したりすることで、電力系統の需給バランスの維持に活用する。 |
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この他、仮想発電所(VPP)の1リソースとして住宅を活用できるよう、送配電事業者からの指令を模擬し、需給バランスの維持に必要とされる調整力の創出も行う。同時にこうした運用に伴う生活者への影響を評価し課題抽出も行う計画だ。
実証を行う住宅は鉄骨造2階建、4LDK(延床面積 138.8m2)で、奈良県北葛城郡王寺町に位置する。エアコン、床暖房、LED照明、電動シャッターなどを備える住宅で、ここに定格出力700Wの固体酸化物形燃料電池(SOFC)(定格出力700W)、出力5.08kWの太陽電池、容量9.8kWhの蓄電池を導入する。居住人数は3人だ。
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