再エネ比率40%超でコロナ禍からの復興目指せ――道府県の協議会が提言(1/3 ページ)

「2050年カーボンニュートラル」を、コロナ禍からの復興と地域社会の活性化につなげていくために。創立10周年を迎えた自然エネルギー協議会が、政策提言書を取りまとめた。

» 2021年06月18日 07時00分 公開
[廣町公則スマートジャパン]

 再生可能エネルギーの普及拡大を目指す全国34道府県のネットワーク「自然エネルギー協議会」(会長:徳島県知事 飯泉嘉門氏)が2021年6月9日、「2030年再エネ発電比率40%超」などを求める政策提言書を環境省と経済産業省に提出した。政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」をコロナ禍からの復興の契機とするとともに、「経済と環境の好循環」を地域社会から実現していくことの重要性などを説いた。

自然エネルギー協議会会長(徳島県知事)の飯泉嘉門氏(右)が環境省・宮崎勝大臣政務官(左)、経済産業省・宗清皇一大臣政務官へ提言書を提出

エネルギー転換でグリーン社会を実現

 同提言書は、「自然エネルギーへの転換によるグリーン社会実現へ〜グリーントランスフォーメーション(GX)によるコロナ禍からの経済復興に向けて〜」と題された。現在、見直しの議論が進められている国の「エネルギー基本計画」を念頭に、道府県の声をエネルギー政策に反映させようとするものだ。

 具体的に同提言書では、次期エネルギー基本計画(第6次)において「2030年に再エネ発電比率を40%超とする」など意欲的な導入目標を設定することを要望する。現在、国が示している2030年の再エネ比率は22〜24%にとどまっているが、2050年カーボンニュートラルを実現するためには、これを大幅に引き上げる必要があるという認識だ。

図1 2030年の再エネ比率を大幅に引き上げる必要があると提言 出典:自然エネルギー協議会

 また現在、コロナ禍にあっても、世界的には再エネ関連の各種指標が上昇していることを踏まえ、「経済と環境の好循環を進めるべく、企業の再エネ転換など、グリーンリカバリーの加速に向けた体制作りの強化」を要望する。グリーンリカバリーとは、地球温暖化対策や生物多様性に重点を置き、持続可能な社会の実現を目指すコロナ禍からの復興計画であり、EU加盟国を中心に世界各国で実践され始めているものだ。

図2 世界ではグリーン関連投資の拡大が顕著に 出典:自然エネルギー協議会
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