「2050年カーボンニュートラル」を、コロナ禍からの復興と地域社会の活性化につなげていくために。創立10周年を迎えた自然エネルギー協議会が、政策提言書を取りまとめた。
再生可能エネルギーの普及拡大を目指す全国34道府県のネットワーク「自然エネルギー協議会」(会長:徳島県知事 飯泉嘉門氏)が2021年6月9日、「2030年再エネ発電比率40%超」などを求める政策提言書を環境省と経済産業省に提出した。政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」をコロナ禍からの復興の契機とするとともに、「経済と環境の好循環」を地域社会から実現していくことの重要性などを説いた。
同提言書は、「自然エネルギーへの転換によるグリーン社会実現へ〜グリーントランスフォーメーション(GX)によるコロナ禍からの経済復興に向けて〜」と題された。現在、見直しの議論が進められている国の「エネルギー基本計画」を念頭に、道府県の声をエネルギー政策に反映させようとするものだ。
具体的に同提言書では、次期エネルギー基本計画(第6次)において「2030年に再エネ発電比率を40%超とする」など意欲的な導入目標を設定することを要望する。現在、国が示している2030年の再エネ比率は22〜24%にとどまっているが、2050年カーボンニュートラルを実現するためには、これを大幅に引き上げる必要があるという認識だ。
また現在、コロナ禍にあっても、世界的には再エネ関連の各種指標が上昇していることを踏まえ、「経済と環境の好循環を進めるべく、企業の再エネ転換など、グリーンリカバリーの加速に向けた体制作りの強化」を要望する。グリーンリカバリーとは、地球温暖化対策や生物多様性に重点を置き、持続可能な社会の実現を目指すコロナ禍からの復興計画であり、EU加盟国を中心に世界各国で実践され始めているものだ。
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