1.1MWの大型潮流発電システムが五島沖へ 九電みらいエナジーが実証実験自然エネルギー

九電みらいエナジーが進めていた大型潮流発電システムの改造工事が完了。国内初の1110kW規模の発電システムとして、長崎県五島沖で実証実験に取り組む。

» 2025年02月10日 12時30分 公開
[スマートジャパン]

 九電みらいエナジーは2025年2月4日、長崎県五島市の奈留島(なるしま)と久賀島(ひさかじま)の間に位置する「奈留瀬戸(なるせと)」において、1100kW規模の大型潮流発電機の設置を開始すると発表した。

発電機の設置位置 出典:九電みらいエナジー

 同社は環境省の受託事業「潮流発電による地域の脱炭素モデル構築事業(2022年度〜2025年度)」において、国内初となる商用スケール規模の潮流発電機の実証試験に取り組んでいる。このほど前回の環境省事業(2019〜2021年度)で使用した500kWの潮流発電機の改造工事が完了し、設置工事を開始した。

 今回の改造工事では発電量を増やすために、潮の向きに応じて発電機の向きを変えるヨー制御機能のほか、発電出力を高めるために流速に応じて羽の傾斜を変えるピッチ制御機能を導入した。ローター直径は18.4m、定格流速は2.7m/sで、最高出力は1100kWになる。

改造した大型潮流発電システムの外観 出典:九電みらいエナジー

 設置工事は2月中に完了する予定で、そこから1年程度にわたって実証運転を行う。設置後は、実際に五島市の電力系統に接続して送電し、商用に近い形で実証する。運転終了後は撤去し、機器を回収する予定だ。

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