制度設計WGでは、中長期取引市場の約定方式として、取引機会が多く、かつ取引のタイミングや方法に制約が少ないことや、売り手・買い手双方がそれぞれの意思を示し合いながら取引が行われることなどから、「ザラバ方式」の採用を第一に検討を進めることとしている。
中長期取引市場の入札最小単位は、小規模事業者に配慮し、ベースロード市場と同じく100kW(受渡単位:30分単位で50kWh)とする。
また、売り札の匿名性の観点から、売入札は注文の全量を一度に板に出すのではなく、総量のうち一部の数量だけを発注する「アイスバーグオーダー方式」も選択可能として、同方式における板に出される数量としては、5MW(受け渡し時:30分単位で2.5MWh)以上とする。
なおWGでは、ザラバ方式に加え、「広く参照可能で適正かつ安定的な電力価格指標の形成」という観点や中長期取引市場の活性化の観点から、定期的な「板寄せ(オークション)」を行うことも検討されている。
中長期取引市場では、可変費だけでなく固定費も含めた価格設定を行うことが想定されているため、板寄せ方式を行う場合には、シングルプライス方式ではなく、売入札価格によって約定を行うマルチプライス方式とすることが提案された。マルチプライス方式の具体的な約定方法としては、約定点の決定後、約定した売り手は自らの売入札価格で、買い手はすべての約定価格の加重平均価格(同一価格)で精算される案が示されている。
制度設計WGでは、中長期取引市場では地域間連系線を利用した取引(エリアを跨いだ取引)を認めると整理されている。
中長期取引市場の市場範囲の設定については、A案:単一市場(全国1市場)、B案:複数市場(例:東日本・西日本)、C案:9エリア市場(北海道、東北、東京、中部、北陸、関西、中国、四国、九州)の選択肢が考えられる。B案・C案では、売買入札の際に入札エリアを選択して入札することを前提としている。
なお現行のベースロード市場では、市場分断率や値差発生状況を踏まえ、毎年度、市場範囲を設定しており、2026年度は、「東日本(北海道、東北、東京)」、「西日本(中部、北陸、関西、中国、四国、九州)」の2エリア(市場範囲)として運用されている。
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