「無償貸与」や「貸付配管」といった商慣行が問題視されているLPガス業界。政府はこうした商習慣に対する規制の実効性強化に向け、判断基準の明確化に向けた検討を開始した。
LPガス(液化石油ガス)は日本の最終エネルギー消費の約4%を賄っており、国内需要(2024年度)約1,200万トンのうち、家庭業務用が約5割を占めている。LPガスの大半は地政学リスクの低い北米や豪州から輸入するほか、原油から国内で精製する量も1割程度存在する。
これまでLPガス業界では、アパートオーナー等に対する「無償貸与」や「貸付配管」といった商慣行が長らく続いており、それによりLPガスの消費者が不利益を被ることが問題視されてきた。このような商慣行は、消費者によるLPガスの自由な選択を妨げ、LPガス事業者の疲弊も招いてきた。
このため、国はLPガス小売の適正化に向けて、液化石油ガス法(液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律)に係る省令(施行規則)を2024年4月に改正した。また、改正施行規則の実効性を高めるため、「液化石油ガスの小売営業における取引適正化指針」(ガイドライン)及び「運用・解釈通達」を2024年7月に改正した。
液化石油ガス法改正省令の全面施行から1年が経過したが、「正常な商慣習」などの基準が明確ではないため、現在でも一部の事業者では、過大な営業行為が続けられている。
このため、約1年ぶりに開催された「液化石油ガス流通ワーキンググループ(WG)」の第13回会合では、規制当局による指導・監督の実効性強化のため、判断基準の明確化について検討が行われた。
LPガスの商慣行是正に向けた取り組みの一環として、2023年12月に「LPガス商慣行通報フォーム」(LPガスの取引適正化に関する情報提供窓口)が開設され、寄せられた情報は、違反行為の取り締まりや市場監視・モニタリング等に活用されている。なお、通報フォームは匿名による情報提供も可能である。
情報提供件数は微減傾向にあるものの、全面施行後の2025年4月から2026年3月末までに寄せられた情報の件数は約1,250件(平均約110件/月)である。情報提供件数は都道府県により大きく異なる傾向も続いている。
匿名の約3割を除く情報提供者を属性別に見ると、LPガス事業者が約7割、消費者が約2割であり、通報の対象者を属性別に見ると、LPガス事業者が87%、ブローカー等が7%、不動産関係者が6%であった。
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